2025年6月3日火曜日

キャッシングの消滅時効、貸金業者の提訴、公示送達

  先日、裁判所に久しぶりに行きました。WEB期日が一般化して裁判所庁舎に行く機会が減りました。

 裁判所の端に、公示送達の公示のための掲示板があり、昔はA4の紙で表示してたのに、今はA5の紙に2枚表示(大きさ4分の1)で表示している。誰も見てないだろうというためか、掲示場所が足りないためか。

 それで、前からある福岡の貸金業者しんわが公示送達で提訴してたのを見て、むかし、消滅時効にかかった貸金債権で提訴してたな、またやっているのかと思ったけど、今、普通に貸金業務再開しているみたいです。

 まあ、貸した金を返さないほうが悪いんやけど、貸金が仕事で、適正な貸付が義務付けられている貸金業者で、消滅時効にかかるまで法的回収をしなくて、消滅時効完成した後に多大な利息・遅延損害金を付加して請求する(回収の見込みがあると何らかの情報をもって行う)のは、やっぱ相当じゃないでしょう。

 けど、時効援用があるまで債権自体は存在するというのが法律ですから、消滅時効完成した貸金債権でも、提訴されてそのまま争わないと支払えという判決が出て、確定すると、もう消滅時効であるとはいえなくなります。

 このため、提訴された段階で消滅時効を援用しないといけません。

 また、住民票を引っ越しの際にきちんと動かしていないと所在地不明ということで公示送達を受け、提訴されたことをしらないまま判決がなされることもあります。

 キャッシングで最終取引から5年経過していたら消滅時効が完成している可能性がありますので、弁護士に相談をして確認し、消滅時効完成していれば援用手続きをしましょう。これで晴れて債務なしになります。


 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

 

2025年5月30日金曜日

企業の口コミ・インターネット投稿被害対応における警告書送付の効果

 1 想定事例

  googleの口コミやその他インターネット掲示板で、当会社 について誹謗中傷・根拠のない書き込みがなされており、売上が減少している。

 この前は、銀行に融資を申し込んだところ、今までは融資に応じてもらっていたのに、「理由は答えられない」といわれ、融資を受けられなくなった。これも上記のインターネット被害が原因ではないかと思われる。

 上記の口コミや投稿を削除したい。記事は匿名であるが、書いた相手が内容から特定できている。

2 対応

 上記のように、口コミや投稿被害を受けている場合で、投稿者が誰であるかわかっている(ほぼわかっている)場合は、その相手に直接警告書・要望書等の連絡を行うことで、早期に口コミや投稿を削除させることが期待できます。

 投稿した者も、一時の気分で投稿をしたり、会社に大きな影響はないだろう、自分が責任を問われることはないだろうと安易に考えて投稿をしたりすることが多く、会社の被害が大きいこと、投稿者に、刑事(名誉毀損、信用毀損、業務妨害)責任が問われる可能性があること、民事責任(損害賠償義務)が問われる可能性があることを指摘して削除するように求めると、正常な判断ができる多くの人の場合は、削除に応じてくれます。

 削除をサイト管理者に求めることも考えられますが、サイト管理者が削除をするという基準はかなり厳しく、任意にサイト管理者が削除をする確率は結構低いです。

 裁判所にサイト管理者に削除をするよう申立(削除訴訟、削除仮処分)をすることも考えられますが、裁判所を使う手続は、時間も手間も費用もかかりますので、最終手段として考えたほうがよいでしょう。

 警告書送付も、当事者が自分で送付をしても、相手は通常の連絡と同じと受け取って削除に応じないことが多いですが、弁護士を通じて行うと、こちらも本気で訴訟や告訴等の法的手続をとるつもりなのだ、と相手が真剣に受け取り、削除に応じることが多いです。

 投稿した相手がわかっている場合のインターネット被害については、早期に、当事務所にご相談ください。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一


2025年5月26日月曜日

大量広告事務所による債務整理による被害について・当事務所の債務整理方針

 1 債務整理被害ニュース

  不適正な債務整理を行う司法書士事務所、最近では、弁護士の法律事務所でも不適正な債務整理を行うために、債務者が被害を負う事例が増え、ニュースにもなっています。

 不適正な債務整理200件 弁護士広告巡る被害

2 債務整理方法

 債務の全額を契約どおりに支払えなくなった人は、支払不能状態で、適切な債務整理を行うことによって正常な生活をしながら債務処理できるようにしなければなりません。

 方法としては大きく、個人について・任意整理(支払方法を変更して、原則として債務全額を支払う)、・自己破産(裁判所に申し立てをして、債務全部を免除してもらう)、・個人再生(裁判所に申し立てをして、債務の一部を分割で支払い、残りを免除してもらう)という3つの方法があります。

 任意整理で余裕をもって完済が見込めないのに、任意整理をしたりすると、後々支払いできなくなって、別の手続をとらなくてはならなくなり、改めて弁護士費用を支払う必要がでたりします。

 ですので、債務整理の初めに、収支や資産状況を良く見極めて、適切な債務整理の方法を見極める必要があります。

3 当事務所の債務整理方針

 当事務所では、もちろん相談者の方の希望に沿うような方法をできる限り提案したいのですが、完済が見込めない無理な支払スケジュールの任意整理は絶対提案しませんし、どうしても個人再生や自己破産では目的を達成できないというのであれば、相談者が実現可能な別の方法を模索・提案します。

 自己破産については、昔からよく言われていたような、選挙権が無くなるとか、家財道具が全部なくなるとかいったことはありません。職場や親族にも特別な事情がない限り知られません。

 浪費等があると自己破産について免責不許可事由があることになりますが、事案によってはこの場合でも免責をうけられることがありますし、浪費があっても、3年間で債務の20%または100万円の高い方の分割払い(月額3万円~4万円弱を分割支払いする人が多いです)をする個人再生手続がとれます。

 また、住宅ローンがある人でも、個人再生手続をとれば、住宅を残して、ほかの債務を圧縮(一部債務免除)できます。

4 当事務所の債務整理 弁護士費用等

 当事務所では、非事業者の自己破産手続について 弁護士費用 33万円~、個人再生手続について 弁護士費用44万円~、いずれも手続自体の成否による報酬金なし、でお受けしています。(別途、裁判所納付の実費費用3万円や、管財人、再生委員がつく場合は20万円程度の裁判所予納金が必要になります)


5 浪費の方の手続選択

 特に浪費があった方については、自己破産を申し立てても、免責不許可となる可能性がある上に、管財費用として20万円が確実にかかりますし、免責を得るために積み立てとして何十万か裁判所に納めたりすることもありますので、最初から個人再生手続をしたほうが、初期の弁護士費用のほかは、毎月の分割返済だけで済むというメリットもあります。

6 お気軽にご相談ください

 当職は、これまで、債務整理・自己破産・個人再生・法人債務整理等100件以上こなしてきており、受任したものについては、いずれも依頼者様の希望にそう結果になっているものと自負しております。

 債務整理でお困りの方については、まずは、お気軽にご相談ください。できる限り希望に沿う解決策を提示いたします。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

 


 

 

2025年5月20日火曜日

開示請求 特別弁護士費用設定(期間・件数限定)

  先日の記事にも書きましたが、各種SNS事業者や通信業者の対応が遅く、開示手続に、時間と手間がかかるため、また、発信者特定の可能性をあげるために複数の手続をとるために、弁護士費用が高額になるという面があります。

 コンテンツプロバイダといわれるSNS事業者(発信者の電話番号や氏名・住所情報を保有しているもの)に対して、裁判所をつかった開示命令の申立のみで、発信者を特定するのが、相対的に手間が少なく迅速ではないかと考えているところです。

 このため、開示命令の申立のみで発信者を特定するという御依頼について、期間・件数限定で、着手金33万円(税込)・報酬金なし・実費別途依頼者負担という委任条件で御依頼いただける方を募集いたします。

その他、東京地裁管轄(ほとんどの場合相手方住所の関係で東京地裁管轄になります。)、投稿記事は、長文でない1投稿を原則とする、開示の相手方は、発信者の電話番号や氏名・住所情報を保有している事業者に限定します。

上記以外の条件のものは、行う手続に応じて通常の当事務所報酬基準にてお受けいたします。

 上記条件の期間については、おおむね本投稿から1ヶ月以内、2件以内程度を考えております。

 上記の条件での受任は、受任前に内容のご相談・お打ち合わせを実施してからの委任契約締結になります。

 発信者特定時の報酬金なしというものはあまりないと思いますので、上記条件で発信者特定の依頼をしたいという方は、よろしくお願いいたします。瀬戸法律事務所まで御連絡をお願いいたします。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

債権回収の依頼のメリット・デメリット

 1 質問

  債権回収をしたいのですが弁護士に依頼をするメリットはありますか、デメリットはありますか?


2 回答

弁護士に債権回収を依頼するメリットは、以下の通りです。

① 仮差押などの裁判所を使った保全手続ができる、訴訟・強制執行などの法的手続きがとれる

時間をかけて交渉して回収をするか、保全手続きをとるか、裁判により回収を行うべきかについては、相手の資力や事案の内容等によって、大きく異なってきます。

保全手続である仮差押の決定がでたらすぐに支払ってきたという場合も多くあり、話し合いで解決できない場合、これらの法的手続きを行うことが重要です。

また競合する債権者がいる場合は、他者に先駆けて回収行為を行うことが重要です。

② 相手へのインパクト

 当事者からの請求では全く支払わなかった相手でも、弁護士から督促を受けるとすぐに支払ってくるということは、少なからずあります。

 これは、弁護士に依頼をするということは、その分だけ請求者側も本気である、費用をけているので支払いをしない場合は裁判や保全手続きをうけてしまい、最終的には支払わないといけなくなる等を考えて支払うのではないかと思われます。

 そのため、弁護士名で内容証明郵便による請求文書を送るということがまず最初に行う回収行為でしょう。

 弁護士による請求があったということでプレッシャーを感じて支払いがなされるという効果はそれなりに期待できます。

 また、支払いをしないということについて、支払義務があることは認めるが、請求者に対して不満があるという場合もそれなりにあります。

 このような場合に、相手方の不満を十分に聞いてそれを請求者本人に伝えると約束しただけで支払いをしてもらえることもありますし、不満内容の解消が請求者側にとっても将来的に都合がいい場合はそれを迅速に改善して支払ってもらうよう和解をするなど、専門家である弁護士が間に入ったためにスムーズに解決するというケースもあります。

③ 回収の時間・労力・手間を減らせる

 売掛金等の債権回収業務は、通常業務とは別の業務であり、本来の業務に充てる時間を債権回収に割かれてしまうと、企業としての生産性・効率の悪化につながります。

 また、債権回収に不慣れな者の場合、何を行っていいかもわからず、何を行うべきかを調べるために、多くの時間や労力を費やすことにもなりかねません。

 会社組織の場合、担当者が、回収できないのは自分のせいではないか、自分の評価に影響するのではないか、相手方と支払いの話をするのが気が重いなど考え、精神的な負担を負うことも考えられます。

 弁護士への依頼によって、これらの負担を大幅に軽減することができます。弁護士に依頼をして回収できなければ、だれも回収できなかったとあきらめもつきます。


一方、弁護士に依頼をするデメリットもあります。

弁護士依頼した場合のデメリットとしては、弁護士費用の負担、相手との関係悪化があります。

1 弁護士費用

 弁護士費用については、依頼スタート時に着手金と実費が必要になり、最終的に回収ができなかった場合でも、これらの費用は依頼者負担になりますため、回収できなかった場合は、弁護士に依頼をせずに回収をあきらめた場合より、実質回収額はマイナスになります。

 これは裁判で勝訴したものの、強制執行で回収できなかった(相手に財産がなかった)場合も同様です。

 成功報酬は、回収額に応じて定まることが多く、回収額が多ければ弁護士費用を上回る結果になりますが、回収額が少なければ、実質回収額がマイナスになることもあります。

 回収の見込みの見極めが大切になります。そのためには、できるだけ正確、詳細な情報が必要になります(相手方の営業内容、資産等の情報、請求する債権について相手方の反論等があるか等)。

2 相手方との関係の悪化

 特に継続的な取引をしている間柄の場合、弁護士が表に出て請求行為を行うと、相手との関係が悪化する場合があります。

 一方、事案によっては、弁護士による請求を行っても関係悪化しない場合もあります。

 従前担当者と相手方で話あったが合意に至らなかったので、円満な話し合いによる解決を求めるために、まずは弁護士による請求行為を行って窓口を弁護士として交渉を継続するというスタンスを明確にして行う場合などです。

 しかし、弁護士に債権回収を依頼しようと考えるケースでは、当事者間の信頼関係が悪化しており、継続取引は希望しない、関係悪化しても問題ないという場合がほとんどではないかと思われます。

 相手方との関係悪化は、それほど問題にならないでしょう。


 いずれにしても、債権回収は時間が経過すれば回収の見込み・可能性も下がっていきます。お早目に相談ください。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年5月19日月曜日

5ch 2ch(5ちゃんねる、2ちゃんねる)の削除方法

1 質問 

  5ch 2ch(5ちゃんねる、2ちゃんねる)の削除依頼方法は?

2 回答



5ch.net  2ch.scとも、サイトが定める削除ガイドラインがあり、

5ch.net 削除ガイドライン    2ch.sc 削除ガイドライン

これに従って任意削除の要請をします。削除の可否や削除要請の方法等細かく規定されています。

相談で多いものは、①氏名・住所・電話番号等の個人情報の削除をしたい、というものと、②犯罪行為の報道・投稿について不起訴となった、長期間経過したので削除をしたい、というものですので、この2点について取り上げようと思います。

5chですとガイドラインに

個人の取り扱い

定義

一群

政治家・芸能人・プロ活動をしている人物・有罪判決の出た犯罪者

二類

板の趣旨に関係する職業で責任問題の発生する人物

著作物or創作物or活動を販売または提供して対価を得ている人物

外部になんらかの被害を与えた事象の当事者

三種

上記2つに当てはまらない全ての人物

削除対象 *

個人名・住所・所属

一群:

公開されているもの・情報価値があるもの・公益性が有るもの・等は削除しません。削除の可否は統括が判断します。

二類:

外部から確認できない・責任や事象に無関係な情報は削除対象です。公開されたインターネットサイト・全国的マスメディア・電話帳で確認できる・等、隠されていない情報については削除しません。

三種:

誹謗中傷の個人特定が目的である・文意により攻撃目的である等の場合は全て削除対象になります。

電話番号

電話番号は、一部伏字・それを示唆するような文字列・等でも、確認方法が確立していない為に原則として全て削除対象です。

明らかに公的な物・投稿者がハンドルキャップ使用・文意によって本人が公開したと判断できるもの・リンク先で確認できるもの・等は、自己責任として削除されないことがあります。

メールアドレス

騙りの可能性や悪意が明らかで攻撃を目的としている・趣旨説明が無く衆目に晒すことを目的としている・等の場合のみ荒らし依頼として扱います。メール欄に書かれていても同様です。判断は文意によります。

誹謗中傷

一群:

統括裁定の無い限り削除しません。

二類:

板の趣旨に則した公益性が有る事象・直接の関係者や被害者による事実関係の記述・等が含まれたものは削除されません。

三種:

個人を完全に特定する情報を伴っているものは削除対象です。

私生活情報

情報価値が無く、私事のみの情報・第三者の確認できないプライベート情報は、個人が完全に特定されなくても、対象者に不利益が発生する可能性があれば、一律削除対象とします。

とあります。

① 個人情報の削除

個人情報等の投稿について、個人三種にあてはまる人については、広く削除対象になります。誹謗中傷も個人を特定する情報を伴っているものはほとんど削除されます。

 なんらかの事故や事件を起こした人、メディアに出ている人、政治家については、基本放置になりますので、この場合の多くは、裁判による削除が必要になってきます。

② 犯罪行為の報道・投稿の削除

 ですが、犯罪報道があったものの不起訴となった場合は、削除をしてくれやすくなります。不起訴といっても、犯罪事実は認められる起訴猶予や犯罪事実についてあやしいという嫌疑不十分、犯罪事実がないという嫌疑なしまであり、不起訴処分告知書にはこの起訴猶予、嫌疑不十分、嫌疑なしの内容まで記載されないことも多く、さらに、嫌疑なしとはなかなか検察庁がしないため、不起訴になっていれば即削除を認めてもらえるということでもありません。削除人の判断では、嫌疑なしであれば即削除をするような話もありますが、上記の区別がない、起訴猶予、嫌疑不十分という場合は、犯罪の種類、内容、本人の更生、投稿からの経過期間、削除の必要性、を総合考慮して決定しているようです。

 任意の削除が認められなかった場合は、裁判所に削除の申立をしてもらうことになります。裁判所が削除が相当と判断したものについては、5ch 2chとも従っているようです。


 とはいえ、投稿者本人が削除要請をするのはかなりハードルが高いと思います。

 5ch 2chに掲載された情報は、googleの検索結果にも残っていることも多く、これらの削除のためにも、専門家である弁護士に依頼をしたほうがよいと思います。実際に、当職が担当して削除がなされた事案でも、「自分で削除要請をしてみたが全く削除されなかった」というお話はよく聞きます。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一




SNS事業者 通信プロバイダの対応の遅さ

ネットのひぼう中傷 SNS事業者に迅速な対応求める改正法 施行(NHK)


 SNS事業者や通信プロバイダに対して、裁判所を使った開示請求を行っても、対応が極めて遅いです。

 提供命令がでても、1ヶ月以上動きがないこともざらであり、しびれをきらした裁判所からの連絡がいってやっと動き出したというようなことも少なからずあります。

 このような状況ですので、IPアドレスルートによる発信者情報の開示は、AP(アクセスプロバイダ)が携帯電話会社(ドコモ、AU、ソフトバンク、楽天)だったりすると、ログを3か月程度しか保有していないので時間切れになるので、絶望的です。

 IPアドレスルートをとるのであれば仮処分手続きによるほかなさそうですが、仮処分手続きを開示命令申立といっしょにすると1ヶ月以上先の同じ期日にいれられるので、仮処分だけ先行させたほうがよいということになります。

 また、X(旧ツイッター)は、仮処分決定がでても開示をしてこないので、仮処分決定がでたらすぐに強制執行の手続にはいらないといけません。これが2週間以内という期間制限があるので、関東以外の弁護士事務所は大変です。

 本来なら、被害がありそうな投稿については、投稿者が誰かについては裁判手続きの負担なく特定できてしかるべきと思いますが、現在の法律、実態は全くそのようなことはなく、特定に費用や手間、時間がかかり、これらをかけないとすぐに誰かわからないという状況になります。


 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年2月27日木曜日

不起訴処分告知書の取得方法(不起訴の場合のネット記事削除に必要)

1 不起訴処分告知書とは

 刑事事件で、逮捕・勾留になった場合や身柄拘束されていない場合でも検察庁で被疑者として取り調べを受けた場合で、不起訴になった場合は、不起訴処分告知書という証明書を取得することができます。(刑事訴訟法259条)

 インターネット上での逮捕・勾留の記事を削除要請するために、不起訴処分告知書を利用することが多く、不起訴になった場合は、不起訴処分告知書を取得しておいたほうがよいです。

2 不起訴処分告知書の取得方法

 私選弁護人(自分の費用で弁護人を選任した場合)がついている場合は、当該弁護人に依頼をして不起訴処分告知書を取得してもらうのが早いと思われます。

 国選弁護人の場合は、不起訴=身柄解放で弁護人の職務が終了するので、不起訴処分告知書の取得については、別途の依頼(費用も)必要になるかもしれません。

 不起訴処分告知書は、被疑者自身でも取得できます。捜査があっていた検察庁に問い合わせの連絡をして、不起訴処分告知書を取得したい、手続きについて教えてほしいと依頼をしてください。

 本人確認のために検察庁まで足を運ばないといけない例が多いようですが、郵送でも対応可能なこともあるようです。

3 その他

 逮捕記事等のネット記事削除に追加して、不起訴処分告知書の取得手続の代理も当事務所では承っております。

 代理で行う場合は、ご自身で請求される場合よりも少しお時間をいただく場合がありますので、お急ぎの場合は、ご自身で取得されることをお勧めいたします。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年2月26日水曜日

仮差押を受けた後でも消滅時効主張できます【事例】

 1 事案

 10年以上前に、物品を分割ローンで購入したが支払えなくなった。その後、ローン会社から請求を受けていたが請求もこなくなったのでそのままにしていた。裁判等は受けていない。最近になって、このローン会社から債権の譲渡を受けたという会社が私の親(すでに死亡)名義の不動産に相続登記をし、私の不動産持ち分に仮差押をした。

 ずっと昔の話であり、遅延損害金の額も大きいので時効で支払わないということはできないだろうか。

2 対応

 最近は民法改正があり消滅時効の期間の変更もありましたが、改正前民法においても、10年間経過していれば時効中断がない限り消滅時効が完成しています。

 消滅時効の完成後に、債権者が仮差押をしても(消滅時効の援用をするまでは債権としては残っているので仮差押自体はできます)、その後に消滅時効の援用をすれば、債権が消滅しますので、仮差押も消すことができます。

 しかしながら、このような債権者は、仮差押をした後に、いくらかでも支払ってほしいと言って、1万程度の少額(全体額で数十万円など)な請求をして弁済を受けます。一旦支払ってしまうと、権利の承認(民法152条1項。債務の承認)となってしまい、消滅時効の援用ができなくなります。

 旧法下では、サラ金会社等が、消滅時効にかかった債権について、脅して支払いをさせたり、1000円程度の極めて少額な支払いをさせたという事案で、債務の承認にあたらないという判断がされた事案もありますが、基本的には、弁済(支払)をすると、消滅時効の援用ができない、争いが生じることになりますので、支払はせずに、弁護士に相談をするのがよいです。


瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年1月21日火曜日

ネットの記事削除・発信者情報開示請求なら瀬戸法律事務所へ

  当事務所は、福岡県でインターネット関連の法律問題を取り扱う弁護士が少なかったころから、インターネット上の誹謗中傷行為に対して、削除請求・発信者情報開示請求、損害賠償請求、刑事告訴等を行って対応をしております。

 福岡県弁護士会のIT委員会の委員長もかつて務めており、現在も、ネット上の誹謗中傷、名誉毀損、プライバシー侵害行為に対する対応を専門的にしております。

 相手方が判明している場合、判明していない場合、依頼者様のご要望に沿う解決方法をご提示いたしますので、お気軽にご相談ください。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

【対応事例】過去の逮捕歴・犯罪歴・前科のネット投稿(報道)の削除

【事案】
 10年前の逮捕報道に関するツイッター上のツイートがなされており、当該逮捕事件については、不起訴(嫌疑不十分)となっていた。
 下記のニュース報道参照。当事務所が対応した事案です。
https://www.asahi.com/articles/ASSCV45RQSCVTIPE01DM.html


【対応】

 複数のツイートがなされており、連絡がつく管理者には任意の削除を要請して削除される。

 年月が経過し管理者がいない(連絡がつかない)アカウントのツイートについては、Xのサイト上からの削除要請、プロバイダ責任制限法ガイドラインによる削除要請をX社に行ったが削除されず。

 訴訟を提起して削除請求を行った。代理人がついたX社は請求を認めるわけではないが激しい反論は行わず、1期日での結審となり、削除の認容判決が出て確定した。X社は速やかにツイートの削除を実施した。

【関連】

2022年に、10年前に逮捕された男性の、ツイッターでの逮捕歴の削除について、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は、削除を認める判決を言い渡しています。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6S6WWSQ6SUTIL02G.html

この事案は、建造物侵入で男性は略式罰金刑となっているため有罪であった事案です。

 不起訴となった事案については、無罪推定がある日本国の法律制度では、無罪と同様に取り扱うべきであり、逮捕報道がなされると一般的には犯罪を犯したと受け取る人が多いことを考えると、逮捕報道は削除されるべきでしょう。

 また、逮捕の報道をするのであれば、その後の刑事処分により不起訴や無罪となった場合には、外部から請求をうけなくても不起訴や無罪であったと報じて逮捕報道はすみやかに削除するというのがフェアな報道であり、逮捕の報道だけをしてあとは知らんぷりというのは表現の自由の保護に値しない報道(表現)ではないでしょうか。

瀬戸法律事務所 


2025年1月1日水曜日

新年のご挨拶



 明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

当事務所では、昨年からはすべての年賀状郵送を取りやめております。

年賀状を今年も郵送いただいた皆様には多大な御礼を申し上げます。


令和7年(2025年) 正月 

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬 戸 伸 一