2025年2月27日木曜日

不起訴処分告知書の取得方法(不起訴の場合のネット記事削除に必要)

1 不起訴処分告知書とは

 刑事事件で、逮捕・勾留になった場合や身柄拘束されていない場合でも検察庁で被疑者として取り調べを受けた場合で、不起訴になった場合は、不起訴処分告知書という証明書を取得することができます。(刑事訴訟法259条)

 インターネット上での逮捕・勾留の記事を削除要請するために、不起訴処分告知書を利用することが多く、不起訴になった場合は、不起訴処分告知書を取得しておいたほうがよいです。

2 不起訴処分告知書の取得方法

 私選弁護人(自分の費用で弁護人を選任した場合)がついている場合は、当該弁護人に依頼をして不起訴処分告知書を取得してもらうのが早いと思われます。

 国選弁護人の場合は、不起訴=身柄解放で弁護人の職務が終了するので、不起訴処分告知書の取得については、別途の依頼(費用も)必要になるかもしれません。

 不起訴処分告知書は、被疑者自身でも取得できます。捜査があっていた検察庁に問い合わせの連絡をして、不起訴処分告知書を取得したい、手続きについて教えてほしいと依頼をしてください。

 本人確認のために検察庁まで足を運ばないといけない例が多いようですが、郵送でも対応可能なこともあるようです。

3 その他

 逮捕記事等のネット記事削除に追加して、不起訴処分告知書の取得手続の代理も当事務所では承っております。

 代理で行う場合は、ご自身で請求される場合よりも少しお時間をいただく場合がありますので、お急ぎの場合は、ご自身で取得されることをお勧めいたします。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年2月26日水曜日

仮差押を受けた後でも消滅時効主張できます【事例】

 1 事案

 10年以上前に、物品を分割ローンで購入したが支払えなくなった。その後、ローン会社から請求を受けていたが請求もこなくなったのでそのままにしていた。裁判等は受けていない。最近になって、このローン会社から債権の譲渡を受けたという会社が私の親(すでに死亡)名義の不動産に相続登記をし、私の不動産持ち分に仮差押をした。

 ずっと昔の話であり、遅延損害金の額も大きいので時効で支払わないということはできないだろうか。

2 対応

 最近は民法改正があり消滅時効の期間の変更もありましたが、改正前民法においても、10年間経過していれば時効中断がない限り消滅時効が完成しています。

 消滅時効の完成後に、債権者が仮差押をしても(消滅時効の援用をするまでは債権としては残っているので仮差押自体はできます)、その後に消滅時効の援用をすれば、債権が消滅しますので、仮差押も消すことができます。

 しかしながら、このような債権者は、仮差押をした後に、いくらかでも支払ってほしいと言って、1万程度の少額(全体額で数十万円など)な請求をして弁済を受けます。一旦支払ってしまうと、権利の承認(民法152条1項。債務の承認)となってしまい、消滅時効の援用ができなくなります。

 旧法下では、サラ金会社等が、消滅時効にかかった債権について、脅して支払いをさせたり、1000円程度の極めて少額な支払いをさせたという事案で、債務の承認にあたらないという判断がされた事案もありますが、基本的には、弁済(支払)をすると、消滅時効の援用ができない、争いが生じることになりますので、支払はせずに、弁護士に相談をするのがよいです。


瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年1月21日火曜日

ネットの記事削除・発信者情報開示請求なら瀬戸法律事務所へ

  当事務所は、福岡県でインターネット関連の法律問題を取り扱う弁護士が少なかったころから、インターネット上の誹謗中傷行為に対して、削除請求・発信者情報開示請求、損害賠償請求、刑事告訴等を行って対応をしております。

 福岡県弁護士会のIT委員会の委員長もかつて務めており、現在も、ネット上の誹謗中傷、名誉毀損、プライバシー侵害行為に対する対応を専門的にしております。

 相手方が判明している場合、判明していない場合、依頼者様のご要望に沿う解決方法をご提示いたしますので、お気軽にご相談ください。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

【対応事例】過去の逮捕歴・犯罪歴・前科のネット投稿(報道)の削除

【事案】
 10年前の逮捕報道に関するツイッター上のツイートがなされており、当該逮捕事件については、不起訴(嫌疑不十分)となっていた。
 下記のニュース報道参照。当事務所が対応した事案です。
https://www.asahi.com/articles/ASSCV45RQSCVTIPE01DM.html


【対応】

 複数のツイートがなされており、連絡がつく管理者には任意の削除を要請して削除される。

 年月が経過し管理者がいない(連絡がつかない)アカウントのツイートについては、Xのサイト上からの削除要請、プロバイダ責任制限法ガイドラインによる削除要請をX社に行ったが削除されず。

 訴訟を提起して削除請求を行った。代理人がついたX社は請求を認めるわけではないが激しい反論は行わず、1期日での結審となり、削除の認容判決が出て確定した。X社は速やかにツイートの削除を実施した。

【関連】

2022年に、10年前に逮捕された男性の、ツイッターでの逮捕歴の削除について、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は、削除を認める判決を言い渡しています。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6S6WWSQ6SUTIL02G.html

この事案は、建造物侵入で男性は略式罰金刑となっているため有罪であった事案です。

 不起訴となった事案については、無罪推定がある日本国の法律制度では、無罪と同様に取り扱うべきであり、逮捕報道がなされると一般的には犯罪を犯したと受け取る人が多いことを考えると、逮捕報道は削除されるべきでしょう。

 また、逮捕の報道をするのであれば、その後の刑事処分により不起訴や無罪となった場合には、外部から請求をうけなくても不起訴や無罪であったと報じて逮捕報道はすみやかに削除するというのがフェアな報道であり、逮捕の報道だけをしてあとは知らんぷりというのは表現の自由の保護に値しない報道(表現)ではないでしょうか。

瀬戸法律事務所 


2025年1月1日水曜日

新年のご挨拶



 明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

当事務所では、昨年からはすべての年賀状郵送を取りやめております。

年賀状を今年も郵送いただいた皆様には多大な御礼を申し上げます。


令和7年(2025年) 正月 

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬 戸 伸 一