1 事案
病院で患者、患者の親族が病院での診療に関する口コミを投稿。口コミ内容が診療に関する悪評価で、思い込み、主観によるところが大きく、投稿の表現も過激であった。
google口コミも自動転載する口コミサイトにも掲載され、当該口コミ投稿があってから、明らかに病院の売上、来院者数が減少。
口コミ投稿前に、当該患者関係者には病院から診療に関する患者の主張に対する説明等を行ったが、投稿が繰り返された。
当該口コミを削除したい。
2 対応
投稿者の実名は口コミに投稿されていませんでしたが、従前のやりとりから患者はわかっていました。患者の親族(同居)が投稿したであろうと思われましたが、患者とその親族宛に、文書を送付しました。
内容は、投稿に記載された内容についての丁寧な説明、医学的説明、客観的事実を異なる部分の指摘、患者の気分を害された病院の対応の謝罪、投稿により病院に多大な損害がでていること、口コミ投稿の削除のお願い等です。
本来的には、病院(医師)と患者・患者関係者が診療の際に十分に時間をとって話し合いや説明を行い、患者らと病院(医師)の信頼関係のもとに診療がされるというのが医療の在り方と思いますが、これが当事者の性格や時間の取れなさなどいろいろな事情により実現されないとこのような紛争を生みます。
裁判所の手続を使った削除は批評については削除基準がかなり厳しい(削除されないことが多い)ので、まずは、当事者間で相互の考えを理解しあって円満に解決することが望ましく、弁護士は第1にその手助けをするという発想で対応をしたほうが解決になることが多いです。
その口コミが削除されてもまた同じような口コミが投稿されればいたちごっこですし、投稿者の思いを病院が受け止めつつ、(病院からお願いをして)自発的に削除してもらうのが一番かと思います。
上記のように対応をした結果、投稿者には、google口コミを削除してもらえ、病院関連の口コミサイトに対してもgoogleの口コミが削除されていることを理由として削除要請をして削除をしてもらいました。
ただ、こういった事象は病院(医師)のコミュニケーション不足によることが原因のこともあり、原因からかえていないといけない場合もあるようです。
瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一