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2025年9月2日火曜日

Twitter(X)の開示請求 まとめ(2025年)

  2024年年末から2025年前半にかけて、Twitter(X)に対して、裁判手続きを使った開示請求を行った結果のまとめを記載します。


1 通信経路ルート

 まず、X社は、発信者情報開示命令手続の際の提供命令には応じないため、開示命令でIPアドレス、タイムスタンプの開示を求めるか、仮処分命令申立によりIPアドレス、タイムスタンプの開示を求めなければなりません。

 仮処分命令申立の方式は、手続が速い一方で、開示命令申立を一緒に行うと仮処分と開示命令の双方の期日を同一で開くことになるため、1日でも急ぐ場合は仮処分命令申立だけ先行させたほうがよいと思われます。

 また、仮処分命令については、発令のために、裁判所から指示があってから1週間以内に東京法務局へ供託をして、供託書(の写し)を東京地裁へ提出する必要があるため、遠方の方(代理人)は基本的に東京へ行く必要があると思われます。オンライン供託はできますが、供託書を入手するために、供託後東京法務局へ郵送のための封筒等の郵送→東京法務局からの返送→供託書の写しを裁判所へ郵送の手順を経ると1週間は優に過ぎてしまうからです。

 また、仮処分命令が発令されても、それだけでは、X社は、任意に情報を開示しません。仮処分命令が発令されたらすぐに送達証明書を取得して、強制執行の申立をしないといけません。仮処分命令については2週間で強制執行できなくなります。

 開示命令の場合は、命令がでてから確定まで1ヶ月かかります。(情報流通プラットフォーム対処法14条1項、5項)

 1ヶ月経過した後、送達証明書、確定証明書を取得して強制執行申立をして、初めて開示されます。

 X社については、開示のためには強制執行が必要と考えておきましょう。強制執行申立をして裁判所からX社へ履行の催告がなされるとすぐに開示が行われることが多いようです。


2 電子メールアドレス、電話番号ルート

 上記のとおり、開示までに時間がかかるので、通信経路ルートでは、3か月しか通信ログをもっていない携帯電話会社の通信の利用が多い今般では、時間切れになる可能性がかなり高いです。

 このため、X社に登録してある電子メールアドレス、電話番号のルートから特定する必要があります。

 しかしながら、電子メールアドレスは、gmailなどのフリーメールアドレスの場合は結局発信者が誰か特定できないということになることが多く、また、Twitter(X)では、電子メールアドレスだけの登録でアカウントを作成していることも結構多いため、特定できないというリスクは結構高いです。

 電話番号が登録されていれば、ほとんど日本国内の事業者の電話番号でしょうから、その後、弁護士会照会等で契約者(発信者)を特定することができると思われます。

3 まとめ

 上記のとおり、できるだけ特定をしようとすると、仮処分申立てと開示命令申立の併用ということになり、双方とも強制執行申立が必要になります。

 また、遠方の方や代理人に依頼をすると、東京への出張交通費や日当も必要なろうかと思います。

 任意に開示をする他の業者と比べると開示のための手続が多くなることから、費用(弁護士費用)も多額になると思われます。


瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年6月10日火曜日

X(旧Twitter)の開示対応が遅すぎる、裁判所の執行も怠慢

1  X(旧Twitter)の開示対応が遅すぎる、裁判所の執行も怠慢というお話です。


2 X(旧Twitter)が発信者情報開示命令が出ても開示しない、1ヶ月経過して確定しても開示しない、

 間接強制の強制執行を裁判所に申し立てても、裁判所がこちらが問い合わせをするまで何も対応しない、裁判所の指示どおりに書面等は送付しているのに、1ヶ月以上も放置、どうなっている?とこちらが問い合わせをするとやっと、「今週催告書送った」とかいう。絶対連絡いれるまで何もしてなかったやろう、そば屋の出前か!!という感じであきれる。

 裁判所もほっといたら開示されて取下げになるだろうという考えなのだろうか、ほっといて開示されないから強制執行してるのだとなぜわからない。

 まあ、開示しないX(旧Twitter)が悪いのだけど、裁判所がすみやかに対応していれば、X(旧Twitter)の態度もかわってくるだろうと思うし、裁判所も軽めの幇助犯。

 他の弁護士も X(旧Twitter)は対応遅すぎると言っているし、執行まで必ず必要として今後は受任をしないといけないだろうと思われます。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年5月19日月曜日

SNS事業者 通信プロバイダの対応の遅さ

ネットのひぼう中傷 SNS事業者に迅速な対応求める改正法 施行(NHK)


 SNS事業者や通信プロバイダに対して、裁判所を使った開示請求を行っても、対応が極めて遅いです。

 提供命令がでても、1ヶ月以上動きがないこともざらであり、しびれをきらした裁判所からの連絡がいってやっと動き出したというようなことも少なからずあります。

 このような状況ですので、IPアドレスルートによる発信者情報の開示は、AP(アクセスプロバイダ)が携帯電話会社(ドコモ、AU、ソフトバンク、楽天)だったりすると、ログを3か月程度しか保有していないので時間切れになるので、絶望的です。

 IPアドレスルートをとるのであれば仮処分手続きによるほかなさそうですが、仮処分手続きを開示命令申立といっしょにすると1ヶ月以上先の同じ期日にいれられるので、仮処分だけ先行させたほうがよいということになります。

 また、X(旧ツイッター)は、仮処分決定がでても開示をしてこないので、仮処分決定がでたらすぐに強制執行の手続にはいらないといけません。これが2週間以内という期間制限があるので、関東以外の弁護士事務所は大変です。

 本来なら、被害がありそうな投稿については、投稿者が誰かについては裁判手続きの負担なく特定できてしかるべきと思いますが、現在の法律、実態は全くそのようなことはなく、特定に費用や手間、時間がかかり、これらをかけないとすぐに誰かわからないという状況になります。


 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年1月21日火曜日

【解決事例】過去の逮捕歴・犯罪歴・前科のネット投稿(報道)の削除

【事案】
 10年前の逮捕報道に関するツイッター上のツイートがなされており、当該逮捕事件については、不起訴(嫌疑不十分)となっていた。
 下記のニュース報道参照。当事務所が対応した事案です。
https://www.asahi.com/articles/ASSCV45RQSCVTIPE01DM.html


【対応】

 複数のツイートがなされており、連絡がつく管理者には任意の削除を要請して削除される。

 年月が経過し管理者がいない(連絡がつかない)アカウントのツイートについては、Xのサイト上からの削除要請、プロバイダ責任制限法ガイドラインによる削除要請をX社に行ったが削除されず。

 訴訟を提起して削除請求を行った。代理人がついたX社は請求を認めるわけではないが激しい反論は行わず、1期日での結審となり、削除の認容判決が出て確定した。X社は速やかにツイートの削除を実施した。

【関連】

2022年に、10年前に逮捕された男性の、ツイッターでの逮捕歴の削除について、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は、削除を認める判決を言い渡しています。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6S6WWSQ6SUTIL02G.html

この事案は、建造物侵入で男性は略式罰金刑となっているため有罪であった事案です。

 不起訴となった事案については、無罪推定がある日本国の法律制度では、無罪と同様に取り扱うべきであり、逮捕報道がなされると一般的には犯罪を犯したと受け取る人が多いことを考えると、逮捕報道は削除されるべきでしょう。

 また、逮捕の報道をするのであれば、その後の刑事処分により不起訴や無罪となった場合には、外部から請求をうけなくても不起訴や無罪であったと報じて逮捕報道はすみやかに削除するというのがフェアな報道であり、逮捕の報道だけをしてあとは知らんぷりというのは表現の自由の保護に値しない報道(表現)ではないでしょうか。

瀬戸法律事務所 


2024年11月6日水曜日

【解決事例】「権利が侵害されたことが明らか」でない場合における発信者(投稿者)への警告方法

 【事案】

 インターネット上に自分の悪口が書かれているが、

・第三者からみて自分のことであるといえるか微妙

・書いてある内容が自分から見ると悪質であるが、弁護士等に相談すると、権利侵害の程度が高くないので開示請求できるか微妙

など、発信者情報開示の要件である「同定可能性」や「権利が侵害されたことが明らか」といえるか微妙で、開示請求ができない場合でも、発信者(投稿者)に今後の投稿をやめさせたいときに何ができるか。

【対応】

 SNS等発信者(投稿者)のアカウントが明らかで、そのアカウントに対してDM(ダイレクトメッセージ)を送付することができる場合は、直接、そのアカウントに対して警告文を送付します。

 弁護士等の専門家第三者から警告をうけた場合、正常な判断をする人であれば、通常は、自己の行為を反省して、自分にも不利益が返ってくるような行為は避けようとして投稿をやめることが多いです。

 相手方アカウントが明らかで、DMが送付できない場合は、公開投稿で連絡をしたい旨を伝えて、DMの許可を受け、または別方法でDMをして、警告を送ります。

 SNSではなく電子掲示板等相手方アカウントが不明な場合は、発信者情報開示手続をとって相手方を特定するのが正攻法ですが、今回の事案のように、発信者情報開示が認められる要件を満たしていない場合も、アクセスプロバイダ宛に発信者情報開示請求をすることにより、実質的に、警告を与えることができる場合があります。

 発信者情報開示請求をアクセスプロバイダ(発信者が契約をしている携帯電話会社やPCの通信のプロバイダ)にすると、アクセスプロバイダは、開示請求について、発信者(契約者)に意見照会をすることになっており、これにより、発信者は、被害者が開示請求を始めたことを知り、投稿内容について許せないため反撃のために開示請求をしたと感じるのです。

 この段階で、発信者が自己のやった行為について反省して今後の投稿をやめるということも多いですし、反省したために、直接、被害者の代理人に連絡をとってきたり、開示請求について同意をしたりすることもあります。

 発信者情報開示の要件である「同定可能性」や「権利が侵害されたことが明らか」を満たさない場合でも、開示について発信者の同意があれば、情報はほとんど開示されます。

 このようにして、今後の投稿被害を避けることができる場合もありますので、なんとかしたい場合はリスクを考慮しつつやってみるのも方法の1つです。

瀬戸法律事務所

2024年11月5日火曜日

【相談事例】個人の情報がネット上に書かれているので削除してほしい。


 【事案・相談内容】

 インターネット上で(ツイッター、X)、自分の個人の情報が書かれているので、削除をしてほしい。

 また、今後、このようなことが起こらないように相手に何かをしたい。

【回答】

1 削除方法

 削除の方法としては、①投稿した者に削除を求める(交渉)、②サイト管理者(ツイッター、XであればX社)に対して、削除を求める(交渉)、③サイト管理者を相手にして削除の裁判をする。

 の3方法になります。

2 削除されるか

 削除されるか否か、①の投稿者に求める方法であれば投稿者が了承すれば削除sされます。②のサイト管理者に削除を求める交渉であれば、サイト管理者が定める規約や削除条件に合致していれば削除されます。個人名(フルネーム)、住所、電話番号が記載されていれば削除するとしているところが多いと思います。

③裁判での削除基準は、複雑です。個人を示して嘘の事実がかいてあれば名誉毀損としての基準により削除を判断しますし、個人を示して本当のことが書いてあってもそのことが他人にみだりに知られたくないプライバシーに属する事実であれば、プライバシー権侵害の基準により判断されます。

 また、削除されるためには、書いている内容があなたを示すものであると第三者が判断するようなものでないといけません。

3 書いている内容があなたを示すか(同定可能性)

 「この投稿は自分のことを示すものだ」と感じていらっしゃるのに、書かれている内容をみると、第三者からはそうはみえないということが少なくないです。

 この第三者というのは、あなたのことの情報のいくつかをしる第三者を想定するもので、ざっくりいえば、仕事の取引先の人や、たまにあう友人くらいを想定するとよいかと思います。あなたは、あなたに関するすべての情報をもっており、あなたが経験したすべての記憶があるので、ある投稿をみて、「自分のことだ」と感じるかもしれませんが、あなた以外のほとんど多くの人があなたのことであると分かるような内容でないと、「この投稿があなたのことを示している」とは裁判所は判断しません。

 この裁判所(法律)の判断の枠組みと本人の感覚の差から困る方もいらっしゃいます。

 また、例外的に、誹謗中傷の程度がひどく人格否定までつながる場合は、名誉感情侵害として、第三者からはあなたと特定できなくても、削除できる場合もあります。これもケースバイケースといえるでしょう。

4 今後、投稿されないようにどう対応するか

 これは、投稿した相手に二度としないように意識させるほかないです。

 そのためには、

1⃣相手方に警告をする。(直接連絡先が分かる場合)

2⃣発信者情報開示をして相手を特定して相手に警告をする(連絡先が分からない場合)

ことになります。今までやった賠償請求と合わせて交渉し、和解をする際に、今後投稿しないという約束や違反の場合の違約金まで定めておくと有効かと思います。

 ただし、ここまで全部するためには、時間も手間も費用もかかりますので、それらも考慮して検討してください。


瀬戸法律事務所