掲示板の運営者に,権利侵害の書き込みについて,IPアドレス等の発信者特定情報を開示してもらった後,そのIPアドレスから判明するプロバイダ等に,訴訟外での(任意の)発信者情報開示請求をすることになります。
この段階で,プロバイダ等は,ガイドラインにより,各発信者(契約者)に対して,発信者情報開示請求がなされていることの通知と,契約者情報を開示してよいかの質問をします。
この時に,発信者(契約者)が開示してよいとの回答をすると,基本的に,発信者情報の開示がなされることになりますが,このようなことはほとんどありません。
このため,すぐに,発信者情報開示請求訴訟を提起することになります。
一方,プロバイダ等から発信者情報開示請求がなされたとの通知をうけた発信者は,その時点で,弁護士等に相談にいくことも少なくありません。
そして,相談にいくと,いずれ発信者情報の開示がなされる可能性が高いであろうことなどを聞き,弁護士を通じてや直接本人が,開示請求を行った代理人へ和解の連絡をしてくることも,ままあります。
そのようにして,発信者情報開示請求訴訟を経ずに,和解交渉が行われ,比較的早期に,和解解決がなされる場合があります。
このような早期の解決がなされることが理想的ですが,このような解決がなされるのはかなり少ないという印象です。
2016年9月28日水曜日
2016年9月6日火曜日
発信者情報開示後(書き込みをした者が判明した後)の対応について
発信者情報開示請求訴訟の判決後(認容判決),ほとんどのプロバイダ等からは,任意の(執行手続きを要せずに)開示があります。
発信者情報の開示は,契約者名,住所が開示されることがあり,メールアドレスは開示されないことがほとんどですが,
住所と契約者名があれば,賠償請求をするには十分です。
契約者名が法人の場合は,登記簿をとって,会社の素性や代表者名を調べますが,多くの場合,被害者の知り合いが書き込みをしています。
弁護士を通じて,損害賠償をしてもよいですし,相手が知人であることから,みずから話をしてもよいでしょうが,話がまとまらない場合は,損害賠償請求訴訟をすることになります。
その場合,書き込みをされたという慰謝料に加えて,加害者を特定するためにかかった費用(弁護士費用)も損害に加えて請求します。
加害者を特定するためにかかった費用のうち,相当な額については,下級審判例で,これを損害に含めるという判断がありますし,私見ではありますが,近時はだいたい認められるのではないかと思います。
不法行為の相手を特定するためにかかった探偵費用についても相当な額は,損害に含めるという下級審判例が一般化していると思いますので,同じ論理で,発信者特定に要した弁護士費用も損害に含まれると考えられます。
発信者情報の開示は,契約者名,住所が開示されることがあり,メールアドレスは開示されないことがほとんどですが,
住所と契約者名があれば,賠償請求をするには十分です。
契約者名が法人の場合は,登記簿をとって,会社の素性や代表者名を調べますが,多くの場合,被害者の知り合いが書き込みをしています。
弁護士を通じて,損害賠償をしてもよいですし,相手が知人であることから,みずから話をしてもよいでしょうが,話がまとまらない場合は,損害賠償請求訴訟をすることになります。
その場合,書き込みをされたという慰謝料に加えて,加害者を特定するためにかかった費用(弁護士費用)も損害に加えて請求します。
加害者を特定するためにかかった費用のうち,相当な額については,下級審判例で,これを損害に含めるという判断がありますし,私見ではありますが,近時はだいたい認められるのではないかと思います。
不法行為の相手を特定するためにかかった探偵費用についても相当な額は,損害に含めるという下級審判例が一般化していると思いますので,同じ論理で,発信者特定に要した弁護士費用も損害に含まれると考えられます。