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2026年2月17日火曜日

LINEアカウントについて、弁護士会照会が可能になりました。


 1 弁護士会照会に対する対応の変更

  従前は、LINE ヤフー株式会社が、LINE アカウント情報に関する弁護士会照会については、通信の秘密の侵害及びその懸念を理由に、同社から開示を得られないことがほとんどでした。

 しかし、同社と日弁連の協議の結果、①LINE ア カウント情報(電話番号及びメールアドレス)に関する弁護士会照会について、 LINE 上に新たに設置された「通報」機能を用いて対象のアカウントを特定する方法で、開示を得られる見込みになりました。

2 公式アカウント、LINE IDからの照会について

  また、公式アカウントについては、「通報」を用いることなく LINE アカウント情報(電話番号及びメールアドレス)の開示が得られる見込みであり、

LINE ID からの照会についても、「通報」を用いることなく LINE アカウント情報(電話番号及びメールアドレス)の開示を得られる見込みとのことです。

3 照会のための通報についての留意点(重要)

① 通報元アカウントの電話番号又は LINE ID を記録

② 弁護士会照会の申出前に通報をする(LINEアプリは最新版に更新をする)

③ 通報日時を記載して照会申出をする

  通報日時を記録するために、通報した画面のスクリーンショットを撮影しておいたほうがよい。

④ 通報回数を記載する。1つのアカウントについて、複数回の通報がある場合には、複数回の通報をした旨を記載。

  ※実際の通報と回数が一致しない場合、開示されません。

⑤  通報後に相手方アカウントが削除されても通報ログ及び相手方アカウント情報は一定期間残るため照会は可能です。
 現状、アカウント削除後も数か月は電話番号の情報は残るようですが、保存期間内でも電話番号が譲渡され、別のユーザーが同じ電話番号を別の LINE アカウントに登録した場合などは、電話番号が回答されない場合があります。

4 以上のように、正確な手順や記録しておくことも多いため、弁護士に照会を依頼してから、その指示に基づいて通報をしたほうがよさそうです。※実際の通報と回数が一致しない場合、開示されません。という注意もあるため、むやみに通報をしても照会の妨げになる可能性もあります。

5 なお、この照会によって開示された電話番号や電子メールアドレスについて、再度、通信会社に契約者情報の弁護士会照会をすることで、氏名や住所の特定が可能になります。(電子メールアドレスだけの場合は特定ができない場合もあります)

6 また、今回の運用変更は、SNS詐欺等の投資詐欺やロマンス詐欺事案を念頭において協議をされたものであり、その他の事案で開示されるかは運用状況次第(不明確)な部分もあります。

 LINEアカウントによる詐欺被害、誹謗中傷、名誉毀損、その他の被害があって賠償請求したい場合など、瀬戸法律事務所にご相談ください。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸 伸一

2025年12月25日木曜日

GOOGLEの開示請求(開示命令・開示仮処分)や削除請求(訴訟外)のまとめ 2025 12月

1 最近、対応した案件での、googleの開示請求(開示命令・開示仮処分)や削除請求(訴訟外)のまとめをしたいと思います。

2 削除請求(訴訟外)

  googleの国内登記が完了したころから、googleに対する裁判上の請求が多くなったためと推測しますが、訴訟外での削除請求(WEB申請など)が以前より通りやすくなった感じがあります。

  開示請求で、google側がすでに投稿が削除されているから権利侵害の程度が低い、開示不相当という主張をしてくる関係で、削除は比較的ゆるやかになったのかもしれないと個人的に思っています。

  とはいえ、権利侵害の主張はしっかりしないと削除はしてくれないので、弁護士に依頼をしたほうがいいのはまちがいないです。自分で削除請求しても消えなかったという方で、当方からの削除申請で消えるというのも数多くあります。

3 開示仮処分(IPアドレス等)

  開示請求については、情報の「保有」というのが法律上の要件になっております。これについては運用上非常に問題があり、立法をした者らが実務を知らないことでこのようなクソ法律になってしまったのですが、現時点では、プロバイダ側が情報を保有しているかの認否をして、持っていると回答をすればあると認定、無いといわれれば有るという立証が現実的にできないので取下げという運用でまわっています。

 しかしながら、googleはこの認否が非常に遅く、現在、全事件について、申立書がgoogle(代理人)に到着してから2ヶ月経過してもまだ保有の情報が本社から代理人に来ないとかで、2ヶ月半程度かかっていることが多いようです。

 そうすると、2ヶ月半たってもまだ仮処分の決定がだせないということで、通信経路が国内の携帯電話会社(ドコモ、AU、ソフトバンク、楽天)などの場合、3か月で通信ログが消えるとされているので、通信経路での特定が事実上困難ということなっています。

4 開示命令手続

  電話番号などのアカウント登録情報の開示命令についても、同様に、情報の「保有」というのが法律上の要件になっており、同様に認否が必要になるのですが、googleは本国の法律に基づいて、電話番号等の個人情報については、保有の認否をしないと一律対応をしています。

 この場合は、開示相当という裁判所の判断の場合、開示命令をだしつつ、開示命令が出て情報を保有している場合は合理的期間内に開示する、一方で請求側は強制執行をしないという合意をしてすすめる運用が一般になっているようです。

 google側の性善説にたった運用ですが、そもそも「保有」というgoogleしかわからない要件を請求側に立証させる法律がおかしなものですし、認否に2ヶ月以上かかるgoogleを信じよという性善説もくずれていると思います。

 アカウントの特定及びそのアカウントに何が登録されているかは、作業を始めればすぐ判明するし、1アカウントあたり数分ではないでしょうか。全体でどれくらいの件数あるかしりませんが、2025年の東京地裁の開示申立が8700件(推定)のようで、1請求者で重複した申立も結構ありますし、半分以上は、通信回線の会社への申立と思いますので、googleが件数多いといっても、最大多く見積もっても1000とか1500件と思います。1500件として、月間125件、平日20日としても、1日6件の調査は日本担当で1名おいておけば十分対応できるのではないでしょうか。


瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一


2025年9月3日水曜日

TikTokの開示請求


 
1 TikTokとは

 ショート動画投稿サイトですが、動画内で誹謗中傷や名誉毀損その他の権利侵害はありえます。また、動画説明として文字の掲載が可能なので文字による権利侵害はありえます。

 TikTok登録の際は電子メールアドレスまたは電話番号の登録が必要になります。その他SNS連携による登録も可能となっていますが、Twitterによる連携の場合は近時、電話番号の追加登録が求められるようになったようで、不確定ながら、SNS連携の登録の場合も、電子メールアドレスまたは電話番号がTikTokに登録されているのではないでしょうか。

 また、数年前に登録したアカウントについては、電子メールアドレスも電話番号も登録せずに登録ができたようなので、いずれも登録されていないという例もあるようです。


2 通信ルートによる特定

 発信者情報開示命令(裁判所を使った手続)の際の提供命令を使った場合、TikTokは情報を開示してきますが、開示のスピードは遅いようです。当職が担当した事例では1ヶ月以上要する例がありました。

 携帯電話会社の通信を利用している場合、通信から3か月以上経過すると通信ログが残っていないことから、提供命令を使用した通信ルートの開示は時間切れになる可能性があります。

 代理人がついた後での開示命令に対しては、開示命令について異議がない場合という前提ですが、確定をまたずに、迅速に発信者情報を開示する傾向があるようです。

 提供命令を利用せず、IPアドレス等の情報も開示命令だけで取得してもよいかもしれません。


3 電子メールアドレス・電話番号ルート

  前述のように、電子メールアドレスも電話番号も登録されておらず特定ができないという可能性はありえます。

 また、電子メールアドレスが登録されている場合も、フリーメールの場合、結局、発信者が誰か特定できないという可能性はあります。

 電話番号が登録されている場合、日本国内の事業者のものと思われますので、基本的には、弁護士会照会による照会で、契約者情報(電話番号を契約した人)がでてきて、発信者の特定ができることが多いです。

4 まとめ

 TikTokの場合、他のSNSと同じように、SNS事業者への登録内容により、発信者を特定できる場合とできない場合とがあります。これは、開示手続きをやってみないとわかりません。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年9月2日火曜日

Twitter(X)の開示請求 まとめ(2025年)

  2024年年末から2025年前半にかけて、Twitter(X)に対して、裁判手続きを使った開示請求を行った結果のまとめを記載します。


1 通信経路ルート

 まず、X社は、発信者情報開示命令手続の際の提供命令には応じないため、開示命令でIPアドレス、タイムスタンプの開示を求めるか、仮処分命令申立によりIPアドレス、タイムスタンプの開示を求めなければなりません。

 仮処分命令申立の方式は、手続が速い一方で、開示命令申立を一緒に行うと仮処分と開示命令の双方の期日を同一で開くことになるため、1日でも急ぐ場合は仮処分命令申立だけ先行させたほうがよいと思われます。

 また、仮処分命令については、発令のために、裁判所から指示があってから1週間以内に東京法務局へ供託をして、供託書(の写し)を東京地裁へ提出する必要があるため、遠方の方(代理人)は基本的に東京へ行く必要があると思われます。オンライン供託はできますが、供託書を入手するために、供託後東京法務局へ郵送のための封筒等の郵送→東京法務局からの返送→供託書の写しを裁判所へ郵送の手順を経ると1週間は優に過ぎてしまうからです。

 また、仮処分命令が発令されても、それだけでは、X社は、任意に情報を開示しません。仮処分命令が発令されたらすぐに送達証明書を取得して、強制執行の申立をしないといけません。仮処分命令については2週間で強制執行できなくなります。

 開示命令の場合は、命令がでてから確定まで1ヶ月かかります。(情報流通プラットフォーム対処法14条1項、5項)

 1ヶ月経過した後、送達証明書、確定証明書を取得して強制執行申立をして、初めて開示されます。

 X社については、開示のためには強制執行が必要と考えておきましょう。強制執行申立をして裁判所からX社へ履行の催告がなされるとすぐに開示が行われることが多いようです。


2 電子メールアドレス、電話番号ルート

 上記のとおり、開示までに時間がかかるので、通信経路ルートでは、3か月しか通信ログをもっていない携帯電話会社の通信の利用が多い今般では、時間切れになる可能性がかなり高いです。

 このため、X社に登録してある電子メールアドレス、電話番号のルートから特定する必要があります。

 しかしながら、電子メールアドレスは、gmailなどのフリーメールアドレスの場合は結局発信者が誰か特定できないということになることが多く、また、Twitter(X)では、電子メールアドレスだけの登録でアカウントを作成していることも結構多いため、特定できないというリスクは結構高いです。

 電話番号が登録されていれば、ほとんど日本国内の事業者の電話番号でしょうから、その後、弁護士会照会等で契約者(発信者)を特定することができると思われます。

3 まとめ

 上記のとおり、できるだけ特定をしようとすると、仮処分申立てと開示命令申立の併用ということになり、双方とも強制執行申立が必要になります。

 また、遠方の方や代理人に依頼をすると、東京への出張交通費や日当も必要なろうかと思います。

 任意に開示をする他の業者と比べると開示のための手続が多くなることから、費用(弁護士費用)も多額になると思われます。


瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年7月10日木曜日

インターネット被害に特化した顧問契約

  

 以下の通り、インターネット上の風評被害やその防止に特化した事業者様の顧問契約を承っています。(法人または個人事業主を想定)

1 顧問料・契約期間

 月額(契約期間:12ヶ月)/ 49500円 (税込)~


2 内容

 ① 法律相談

 ネット上の名誉毀損や風評対策に関する相談に限り、別途の費用なく対応します。

 ② 検索サイトにおける関連ワードの風評監視

    Google・Yahooの検索サイトにおいて、事前に定めたワードでの、検索結果(サジェスト、虫眼鏡など)を営業日ごとにモニタリング・監視します。

 ネガティブな結果が表示されていないか監視し、いち早く被害を確認することが可能になります。

 ③ 特に風評記事が投稿されやすいサイトの監視

  Google口コミや各種業界の口コミサイト、その他特に風 評記事が投稿されやすいサイト(事前に協議したもの)について、営業日ごとにモニタリング・監視します。

 ネガティブな情報が掲載されていないか監視し、いち早く被害を確認することが可能です。

 ④ 削除対応の特別設定料金

  ②③で見つかった記事については、顧問先による特別料金にて削除を行います。


※実費費用については、顧問会社様・御依頼者様にご負担いただきます。


瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

【期間限定】爆サイに対する削除請求の弁護士費用(特別料金設定)

  


爆サイ(バクサイ、爆サイ.COM)の削除請求について、爆サイの運営者の指定があったことに伴って、以下の通り、爆サイの記事削除について、特別の弁護士費用の設定をいたします。

1 任意(訴訟外)の削除要請

  1~10(レス)まで 

  着手金11万円(消費税込)

  ※御依頼スタート時にお支払いいただきます。

  報酬金  なし


2 任意(訴訟外)の削除要請(完全成功報酬制の場合)

  1レスあたり 報酬金3万3000円(消費税込)

  ※但し3レス以上からの御依頼になります。


3 訴訟提起による削除(上記1または2を取った後で)

  着手金 33万円(消費税込)

  報酬金 なし

  ※福岡在住で福岡地裁本庁が管轄となる方の場合


 当該御依頼を検討される方の初回の相談・お打ち合わせは、無料です。

 期間は3か月程度を想定していますが、本記事が当サイトに掲載されている間は、継続いたします。


瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年7月7日月曜日

爆サイに対する削除、開示請求

1 爆サイ( https://bakusai.com/)は、現在は⽉間11億PV、MAU1500万⼈、1⽇投稿数約70万回、総クチコミ数約11億回までに成⻑したという。

 掲示板サイトでは日本一とうたっているようで、ネット掲示板の相談でも最近は5chよりも爆サイのほうが多いようです。

2 爆サイは、従前は、運営会社を公開しておらず、一方で、削除や投稿のIP情報等の開示については、裁判をしなくても、削除や開示をしてくれることがおおかったので、裁判手続を利用せずに対応することが多かったです。

3 しかし、爆サイが成長するにしたがって、削除や開示の請求件数も多くなったためと思われますが、昔は、数日で対応してもらっていたのが→14日以内の対応→14営業日(土日含まず)以内での対応→60日以内の対応と、だんだん対応を遅くなっていました。

 開示請求については、携帯電話会社がログをほぼ3か月分しかもっていないため、IP情報の開示が遅くなると特定できないということになります。投稿があってから1ヶ月で弁護士に相談にきても、弁護士が1日で開示の書類をまとめて対応をしても、爆サイが開示に60日もかかると、3か月間が経過してしまって、携帯電話会社を利用した通信だと特定できなくなります。

 このような害がおきるようになったことから、裁判所をつかった手続により一定の強制力のある対応が必要になりました。

4 これまで爆サイの運営会社が公開されておらず、裁判手続きがとりにくかったのですが、令和7年5月30日に総務省が、「情報流通プラットフォーム対処法第20条第1項に基づく 大規模特定電気通信役務提供者の指定」として、株式会社湘南西武ホームが、爆サイ.comの運営者であるとしましたので、裁判手続がほかの通信会社と同様に容易になりました。

5 一方で、これまで裁判手続となるような紛争をさけようとしていたためか爆サイの開示や削除の判断はゆるやか(他社よりも対応してもらいやすい)であったのですが、裁判手続が容易になったためか、判断が厳しくなったという話も耳にします。

6 いずれにせよ、対応の選択肢が増えたことはよいことです。爆サイで誹謗中傷・名誉毀損やプライバシー侵害等の被害を受けた方で、削除や犯人の特定をしたい方は、瀬戸法律事務所までご相談ください。

 ご本人が開示や削除の申立を爆サイにしたが駄目だったという場合でも、弁護士から(要件や理由を明らかにして)請求をした場合には開示や削除がなされたという例も多くあります。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年6月30日月曜日

【解決事例】撮影のみ同意をして撮影した裸の動画を無許可でインターネット上に掲載された事案の損害賠償

 1 事案

 風俗店(デリヘル)に勤務する被害者Aさんは、加害者の客Bから何度も指名をうけ、オプションサービスであるサービス中の動画撮影をしていた。動画撮影は、客自身のみが楽しむためのものであり、第三者へ見せたりインターネット上など外部への掲載・漏洩は厳に禁じられておりBはこれに承諾して動画撮影サービスを利用していた。

 Aさんは、インターネット上の素人動画掲載サイトに自分の顔は映っていないものの自分とわかる(体のホクロやタトゥの位置、声色、その他)動画が複数掲載されているのを発見し、動画の削除と慰謝料等の損害賠償請求を希望した。

 なおAさんは同店でBにしか動画撮影サービスを提供していなかった。

2 対応

 警察に刑事告訴前提の被害相談を実施しました。

 同意を得て撮影した「性交又は性交類似行為に係る人の姿態」の動画のインターネット上での不特定多数への提供は、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」の私事性的画像記録提供罪(三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金)に該当します。

 証拠の保全後、AさんがBの携帯電話番号及び実名を知っていたため、Bに対して、動画の削除及び損害賠償請求を求めました。

 Aさんの希望に沿って賠償請求を行い、相手にも代理人弁護士がつき、交渉を重ねた結果、賠償金200万円、動画のインターネット上からの削除、Bが保有するAさんの動画の全削除、インターネット上にAさんの動画が再度掲載、漏洩した場合の違約金、お店の利用及びAさんへの接触・連絡禁止、刑事告訴をしない・取下げる等の条件で示談をいたしました。

3 その他コメント

 相手の同意なく相手の裸や下着等を撮影する行為は、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の性的姿態等撮影罪(三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金)で前述のものより処罰が重いです。

 同意を得て撮影をした性的な動画も、同意をえずにインターネット上にアップロードする(第三者が見る形で)と処罰の対象になりますので絶対にしないようにしないといけません。

 もともと密室で、外部に漏れない形で行われるべきサービスの類であり、その違反があった事件ですが、刑事裁判や民事裁判といった外部への事案の公表がなされる手続の前に、当事者間で迅速に示談解決できたのは、被害者にとってもベターな解決であったのではないかと思われます。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一


※事案紹介全般において、特定を避けるため、事案内容を脚色している部分があります。


 

2025年6月16日月曜日

ネット投稿の加害者になり開示請求の照会を受けた場合の対応

  


当事務所では件数は多くありませんが、インターネット上の投稿をしたことにより加害者であるとして、被害者が開示請求手続きをとった場合の意見照会の対応もしています。

 被害者がインターネット上のコンテンツプロバイダ(掲示板、SNSサービス提供者)や通信会社に開示請求をすると、当該会社が投稿者の契約情報(氏名、住所その他)を知っている場合は、その投稿者について、開示請求があったことと開示請求についての意見照会をすることになっています。

 このときに、開示に同意をすると回答すると、これらの会社は開示に同意があったとしてすぐに開示をすることが多いです。被害者と加害者である程度やりとりがあって開示手続に時間をかけないほうが開示費用の関係でよい場合はこの対応をとることもあります。

 しかし、一般的には、開示をしてほしくないと考えるのが通常でしょう。コンテンツプロバイダや通信会社は、開示には消極的ですが、裁判手続となり裁判所から開示を命じられた場合は開示をします。一方、コンテンツプロバイダや通信会社は、被害者からの開示の申立について反論する資料等をもっていないのが通常です。このため、照会があった場合の意見書において、開示をするべきでないという事情を記載し、できれば証拠資料もつけて提出したほうが開示を阻止できる可能性が高くなります。

 この開示をするべきでないという意見においては、開示の要件である権利侵害の明白性がないという争い方がメインになりますが、その内容については法律的要素が大きいので弁護士に依頼をして意見書の作成をしたほうがよいでしょう。

 また、発信者情報開示が裁判手続になっている場合は、その手続に、利害関係人として参加したり、記録を謄写したりすることもできます。その際、通常は、裁判手続きにおいては、氏名や住所を被害者にも明らかにしなければなりませんが、近時の法改正により、「住所、氏名等の秘匿制度の創設」がなされましたので、住所・氏名を被害者に秘匿した状態で裁判手続に関与することも可能になっています。

 開示請求手続きの意見照会がきてお困りの方は、瀬戸法律事務所までご相談ください。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年6月10日火曜日

X(旧Twitter)の開示対応が遅すぎる、裁判所の執行も怠慢

1  X(旧Twitter)の開示対応が遅すぎる、裁判所の執行も怠慢というお話です。


2 X(旧Twitter)が発信者情報開示命令が出ても開示しない、1ヶ月経過して確定しても開示しない、

 間接強制の強制執行を裁判所に申し立てても、裁判所がこちらが問い合わせをするまで何も対応しない、裁判所の指示どおりに書面等は送付しているのに、1ヶ月以上も放置、どうなっている?とこちらが問い合わせをするとやっと、「今週催告書送った」とかいう。絶対連絡いれるまで何もしてなかったやろう、そば屋の出前か!!という感じであきれる。

 裁判所もほっといたら開示されて取下げになるだろうという考えなのだろうか、ほっといて開示されないから強制執行してるのだとなぜわからない。

 まあ、開示しないX(旧Twitter)が悪いのだけど、裁判所がすみやかに対応していれば、X(旧Twitter)の態度もかわってくるだろうと思うし、裁判所も軽めの幇助犯。

 他の弁護士も X(旧Twitter)は対応遅すぎると言っているし、執行まで必ず必要として今後は受任をしないといけないだろうと思われます。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年5月30日金曜日

企業の口コミ・インターネット投稿被害対応における警告書送付の効果

 1 想定事例

  googleの口コミやその他インターネット掲示板で、当会社 について誹謗中傷・根拠のない書き込みがなされており、売上が減少している。

 この前は、銀行に融資を申し込んだところ、今までは融資に応じてもらっていたのに、「理由は答えられない」といわれ、融資を受けられなくなった。これも上記のインターネット被害が原因ではないかと思われる。

 上記の口コミや投稿を削除したい。記事は匿名であるが、書いた相手が内容から特定できている。

2 対応

 上記のように、口コミや投稿被害を受けている場合で、投稿者が誰であるかわかっている(ほぼわかっている)場合は、その相手に直接警告書・要望書等の連絡を行うことで、早期に口コミや投稿を削除させることが期待できます。

 投稿した者も、一時の気分で投稿をしたり、会社に大きな影響はないだろう、自分が責任を問われることはないだろうと安易に考えて投稿をしたりすることが多く、会社の被害が大きいこと、投稿者に、刑事(名誉毀損、信用毀損、業務妨害)責任が問われる可能性があること、民事責任(損害賠償義務)が問われる可能性があることを指摘して削除するように求めると、正常な判断ができる多くの人の場合は、削除に応じてくれます。

 削除をサイト管理者に求めることも考えられますが、サイト管理者が削除をするという基準はかなり厳しく、任意にサイト管理者が削除をする確率は結構低いです。

 裁判所にサイト管理者に削除をするよう申立(削除訴訟、削除仮処分)をすることも考えられますが、裁判所を使う手続は、時間も手間も費用もかかりますので、最終手段として考えたほうがよいでしょう。

 警告書送付も、当事者が自分で送付をしても、相手は通常の連絡と同じと受け取って削除に応じないことが多いですが、弁護士を通じて行うと、こちらも本気で訴訟や告訴等の法的手続をとるつもりなのだ、と相手が真剣に受け取り、削除に応じることが多いです。

 投稿した相手がわかっている場合のインターネット被害については、早期に、当事務所にご相談ください。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一


2025年5月20日火曜日

開示請求 特別弁護士費用設定(期間・件数限定)

  先日の記事にも書きましたが、各種SNS事業者や通信業者の対応が遅く、開示手続に、時間と手間がかかるため、また、発信者特定の可能性をあげるために複数の手続をとるために、弁護士費用が高額になるという面があります。

 コンテンツプロバイダといわれるSNS事業者(発信者の電話番号や氏名・住所情報を保有しているもの)に対して、裁判所をつかった開示命令の申立のみで、発信者を特定するのが、相対的に手間が少なく迅速ではないかと考えているところです。

 このため、開示命令の申立のみで発信者を特定するという御依頼について、期間・件数限定で、着手金33万円(税込)・報酬金なし・実費別途依頼者負担という委任条件で御依頼いただける方を募集いたします。

その他、東京地裁管轄(ほとんどの場合相手方住所の関係で東京地裁管轄になります。)、投稿記事は、長文でない1投稿を原則とする、開示の相手方は、発信者の電話番号や氏名・住所情報を保有している事業者に限定します。

上記以外の条件のものは、行う手続に応じて通常の当事務所報酬基準にてお受けいたします。

 上記条件の期間については、おおむね本投稿から1ヶ月以内、2件以内程度を考えております。

 上記の条件での受任は、受任前に内容のご相談・お打ち合わせを実施してからの委任契約締結になります。

 発信者特定時の報酬金なしというものはあまりないと思いますので、上記条件で発信者特定の依頼をしたいという方は、よろしくお願いいたします。瀬戸法律事務所まで御連絡をお願いいたします。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年5月19日月曜日

5ch 2ch(5ちゃんねる、2ちゃんねる)の削除方法

1 質問 

  5ch 2ch(5ちゃんねる、2ちゃんねる)の削除依頼方法は?

2 回答



5ch.net  2ch.scとも、サイトが定める削除ガイドラインがあり、

5ch.net 削除ガイドライン    2ch.sc 削除ガイドライン

これに従って任意削除の要請をします。削除の可否や削除要請の方法等細かく規定されています。

相談で多いものは、①氏名・住所・電話番号等の個人情報の削除をしたい、というものと、②犯罪行為の報道・投稿について不起訴となった、長期間経過したので削除をしたい、というものですので、この2点について取り上げようと思います。

5chですとガイドラインに

個人の取り扱い

定義

一群

政治家・芸能人・プロ活動をしている人物・有罪判決の出た犯罪者

二類

板の趣旨に関係する職業で責任問題の発生する人物

著作物or創作物or活動を販売または提供して対価を得ている人物

外部になんらかの被害を与えた事象の当事者

三種

上記2つに当てはまらない全ての人物

削除対象 *

個人名・住所・所属

一群:

公開されているもの・情報価値があるもの・公益性が有るもの・等は削除しません。削除の可否は統括が判断します。

二類:

外部から確認できない・責任や事象に無関係な情報は削除対象です。公開されたインターネットサイト・全国的マスメディア・電話帳で確認できる・等、隠されていない情報については削除しません。

三種:

誹謗中傷の個人特定が目的である・文意により攻撃目的である等の場合は全て削除対象になります。

電話番号

電話番号は、一部伏字・それを示唆するような文字列・等でも、確認方法が確立していない為に原則として全て削除対象です。

明らかに公的な物・投稿者がハンドルキャップ使用・文意によって本人が公開したと判断できるもの・リンク先で確認できるもの・等は、自己責任として削除されないことがあります。

メールアドレス

騙りの可能性や悪意が明らかで攻撃を目的としている・趣旨説明が無く衆目に晒すことを目的としている・等の場合のみ荒らし依頼として扱います。メール欄に書かれていても同様です。判断は文意によります。

誹謗中傷

一群:

統括裁定の無い限り削除しません。

二類:

板の趣旨に則した公益性が有る事象・直接の関係者や被害者による事実関係の記述・等が含まれたものは削除されません。

三種:

個人を完全に特定する情報を伴っているものは削除対象です。

私生活情報

情報価値が無く、私事のみの情報・第三者の確認できないプライベート情報は、個人が完全に特定されなくても、対象者に不利益が発生する可能性があれば、一律削除対象とします。

とあります。

① 個人情報の削除

個人情報等の投稿について、個人三種にあてはまる人については、広く削除対象になります。誹謗中傷も個人を特定する情報を伴っているものはほとんど削除されます。

 なんらかの事故や事件を起こした人、メディアに出ている人、政治家については、基本放置になりますので、この場合の多くは、裁判による削除が必要になってきます。

② 犯罪行為の報道・投稿の削除

 ですが、犯罪報道があったものの不起訴となった場合は、削除をしてくれやすくなります。不起訴といっても、犯罪事実は認められる起訴猶予や犯罪事実についてあやしいという嫌疑不十分、犯罪事実がないという嫌疑なしまであり、不起訴処分告知書にはこの起訴猶予、嫌疑不十分、嫌疑なしの内容まで記載されないことも多く、さらに、嫌疑なしとはなかなか検察庁がしないため、不起訴になっていれば即削除を認めてもらえるということでもありません。削除人の判断では、嫌疑なしであれば即削除をするような話もありますが、上記の区別がない、起訴猶予、嫌疑不十分という場合は、犯罪の種類、内容、本人の更生、投稿からの経過期間、削除の必要性、を総合考慮して決定しているようです。

 任意の削除が認められなかった場合は、裁判所に削除の申立をしてもらうことになります。裁判所が削除が相当と判断したものについては、5ch 2chとも従っているようです。


 とはいえ、投稿者本人が削除要請をするのはかなりハードルが高いと思います。

 5ch 2chに掲載された情報は、googleの検索結果にも残っていることも多く、これらの削除のためにも、専門家である弁護士に依頼をしたほうがよいと思います。実際に、当職が担当して削除がなされた事案でも、「自分で削除要請をしてみたが全く削除されなかった」というお話はよく聞きます。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一




SNS事業者 通信プロバイダの対応の遅さ

ネットのひぼう中傷 SNS事業者に迅速な対応求める改正法 施行(NHK)


 SNS事業者や通信プロバイダに対して、裁判所を使った開示請求を行っても、対応が極めて遅いです。

 提供命令がでても、1ヶ月以上動きがないこともざらであり、しびれをきらした裁判所からの連絡がいってやっと動き出したというようなことも少なからずあります。

 このような状況ですので、IPアドレスルートによる発信者情報の開示は、AP(アクセスプロバイダ)が携帯電話会社(ドコモ、AU、ソフトバンク、楽天)だったりすると、ログを3か月程度しか保有していないので時間切れになるので、絶望的です。

 IPアドレスルートをとるのであれば仮処分手続きによるほかなさそうですが、仮処分手続きを開示命令申立といっしょにすると1ヶ月以上先の同じ期日にいれられるので、仮処分だけ先行させたほうがよいということになります。

 また、X(旧ツイッター)は、仮処分決定がでても開示をしてこないので、仮処分決定がでたらすぐに強制執行の手続にはいらないといけません。これが2週間以内という期間制限があるので、関東以外の弁護士事務所は大変です。

 本来なら、被害がありそうな投稿については、投稿者が誰かについては裁判手続きの負担なく特定できてしかるべきと思いますが、現在の法律、実態は全くそのようなことはなく、特定に費用や手間、時間がかかり、これらをかけないとすぐに誰かわからないという状況になります。


 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年2月27日木曜日

不起訴処分告知書の取得方法(不起訴の場合のネット記事削除に必要)

1 不起訴処分告知書とは

 刑事事件で、逮捕・勾留になった場合や身柄拘束されていない場合でも検察庁で被疑者として取り調べを受けた場合で、不起訴になった場合は、不起訴処分告知書という証明書を取得することができます。(刑事訴訟法259条)

 インターネット上での逮捕・勾留の記事を削除要請するために、不起訴処分告知書を利用することが多く、不起訴になった場合は、不起訴処分告知書を取得しておいたほうがよいです。

2 不起訴処分告知書の取得方法

 私選弁護人(自分の費用で弁護人を選任した場合)がついている場合は、当該弁護人に依頼をして不起訴処分告知書を取得してもらうのが早いと思われます。

 国選弁護人の場合は、不起訴=身柄解放で弁護人の職務が終了するので、不起訴処分告知書の取得については、別途の依頼(費用も)必要になるかもしれません。

 不起訴処分告知書は、被疑者自身でも取得できます。捜査があっていた検察庁に問い合わせの連絡をして、不起訴処分告知書を取得したい、手続きについて教えてほしいと依頼をしてください。

 本人確認のために検察庁まで足を運ばないといけない例が多いようですが、郵送でも対応可能なこともあるようです。

3 その他

 逮捕記事等のネット記事削除に追加して、不起訴処分告知書の取得手続の代理も当事務所では承っております。

 代理で行う場合は、ご自身で請求される場合よりも少しお時間をいただく場合がありますので、お急ぎの場合は、ご自身で取得されることをお勧めいたします。

瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

2025年1月21日火曜日

ネットの記事削除・発信者情報開示請求なら瀬戸法律事務所へ

  当事務所は、福岡県でインターネット関連の法律問題を取り扱う弁護士が少なかったころから、インターネット上の誹謗中傷行為に対して、削除請求・発信者情報開示請求、損害賠償請求、刑事告訴等を行って対応をしております。

 福岡県弁護士会のIT委員会の委員長もかつて務めており、現在も、ネット上の誹謗中傷、名誉毀損、プライバシー侵害行為に対する対応を専門的にしております。

 相手方が判明している場合、判明していない場合、依頼者様のご要望に沿う解決方法をご提示いたしますので、お気軽にご相談ください。

 瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

【解決事例】過去の逮捕歴・犯罪歴・前科のネット投稿(報道)の削除

【事案】
 10年前の逮捕報道に関するツイッター上のツイートがなされており、当該逮捕事件については、不起訴(嫌疑不十分)となっていた。
 下記のニュース報道参照。当事務所が対応した事案です。
https://www.asahi.com/articles/ASSCV45RQSCVTIPE01DM.html


【対応】

 複数のツイートがなされており、連絡がつく管理者には任意の削除を要請して削除される。

 年月が経過し管理者がいない(連絡がつかない)アカウントのツイートについては、Xのサイト上からの削除要請、プロバイダ責任制限法ガイドラインによる削除要請をX社に行ったが削除されず。

 訴訟を提起して削除請求を行った。代理人がついたX社は請求を認めるわけではないが激しい反論は行わず、1期日での結審となり、削除の認容判決が出て確定した。X社は速やかにツイートの削除を実施した。

【関連】

2022年に、10年前に逮捕された男性の、ツイッターでの逮捕歴の削除について、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は、削除を認める判決を言い渡しています。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6S6WWSQ6SUTIL02G.html

この事案は、建造物侵入で男性は略式罰金刑となっているため有罪であった事案です。

 不起訴となった事案については、無罪推定がある日本国の法律制度では、無罪と同様に取り扱うべきであり、逮捕報道がなされると一般的には犯罪を犯したと受け取る人が多いことを考えると、逮捕報道は削除されるべきでしょう。

 また、逮捕の報道をするのであれば、その後の刑事処分により不起訴や無罪となった場合には、外部から請求をうけなくても不起訴や無罪であったと報じて逮捕報道はすみやかに削除するというのがフェアな報道であり、逮捕の報道だけをしてあとは知らんぷりというのは表現の自由の保護に値しない報道(表現)ではないでしょうか。

瀬戸法律事務所 


2024年11月11日月曜日

【解決事例】大島てるに対する事故物件情報の削除請求

 【事案】

事故物件情報サイト「大島てる」に、虚偽、嘘の情報が記載されており、自分の不動産の価値が下がっている、削除したい。

また、真実の情報が掲載されている場合は、どうか。

【対応】

 大島てるは、不動産における、死亡事故、自殺、殺人等の情報を掲載するサイトです。以前は、削除要請の方法自体がわかりにくく削除要請が難しかったのですが、現在は、コメントに記載する方法で要請可能です。

 大島てるは、虚偽情報であれば(真実と確認できなければ)削除する、真実なら削除しないという対応方針で、虚偽であることが明らかであれば、削除は難しくありません。

 しかしながら、真実か虚偽が微妙という事案もあり、その場合に簡単な削除要請で削除されない場合は、詳細な説明と資料を付加した削除要請文書を送付して削除要請する必要もあり、その場合は、弁護士に任せたほうがよいと思われます。

 記載されている内容が真実であれば、原則として、賃借を検討する者らの心理的瑕疵に関する情報を知る権利に資するものとして、不動産の価値の減少があったとしても情報の削除が認められないと判断され、同趣旨の裁判例もあります。

 一方で、上記の知る権利に資する価値を考慮しても、不動産所有者の権利の侵害の程度が大きすぎるという場合も、きわめて例外的にあるとも思われます。そのような場合は、裁判による削除請求をするほかありませんが、どうしても情報の削除を試みたいという方は、ご相談ください。

 瀬戸法律事務所


2024年11月6日水曜日

【解決事例】「権利が侵害されたことが明らか」でない場合における発信者(投稿者)への警告方法

 【事案】

 インターネット上に自分の悪口が書かれているが、

・第三者からみて自分のことであるといえるか微妙

・書いてある内容が自分から見ると悪質であるが、弁護士等に相談すると、権利侵害の程度が高くないので開示請求できるか微妙

など、発信者情報開示の要件である「同定可能性」や「権利が侵害されたことが明らか」といえるか微妙で、開示請求ができない場合でも、発信者(投稿者)に今後の投稿をやめさせたいときに何ができるか。

【対応】

 SNS等発信者(投稿者)のアカウントが明らかで、そのアカウントに対してDM(ダイレクトメッセージ)を送付することができる場合は、直接、そのアカウントに対して警告文を送付します。

 弁護士等の専門家第三者から警告をうけた場合、正常な判断をする人であれば、通常は、自己の行為を反省して、自分にも不利益が返ってくるような行為は避けようとして投稿をやめることが多いです。

 相手方アカウントが明らかで、DMが送付できない場合は、公開投稿で連絡をしたい旨を伝えて、DMの許可を受け、または別方法でDMをして、警告を送ります。

 SNSではなく電子掲示板等相手方アカウントが不明な場合は、発信者情報開示手続をとって相手方を特定するのが正攻法ですが、今回の事案のように、発信者情報開示が認められる要件を満たしていない場合も、アクセスプロバイダ宛に発信者情報開示請求をすることにより、実質的に、警告を与えることができる場合があります。

 発信者情報開示請求をアクセスプロバイダ(発信者が契約をしている携帯電話会社やPCの通信のプロバイダ)にすると、アクセスプロバイダは、開示請求について、発信者(契約者)に意見照会をすることになっており、これにより、発信者は、被害者が開示請求を始めたことを知り、投稿内容について許せないため反撃のために開示請求をしたと感じるのです。

 この段階で、発信者が自己のやった行為について反省して今後の投稿をやめるということも多いですし、反省したために、直接、被害者の代理人に連絡をとってきたり、開示請求について同意をしたりすることもあります。

 発信者情報開示の要件である「同定可能性」や「権利が侵害されたことが明らか」を満たさない場合でも、開示について発信者の同意があれば、情報はほとんど開示されます。

 このようにして、今後の投稿被害を避けることができる場合もありますので、なんとかしたい場合はリスクを考慮しつつやってみるのも方法の1つです。

瀬戸法律事務所

2024年11月5日火曜日

【相談事例】個人の情報がネット上に書かれているので削除してほしい。


 【事案・相談内容】

 インターネット上で(ツイッター、X)、自分の個人の情報が書かれているので、削除をしてほしい。

 また、今後、このようなことが起こらないように相手に何かをしたい。

【回答】

1 削除方法

 削除の方法としては、①投稿した者に削除を求める(交渉)、②サイト管理者(ツイッター、XであればX社)に対して、削除を求める(交渉)、③サイト管理者を相手にして削除の裁判をする。

 の3方法になります。

2 削除されるか

 削除されるか否か、①の投稿者に求める方法であれば投稿者が了承すれば削除sされます。②のサイト管理者に削除を求める交渉であれば、サイト管理者が定める規約や削除条件に合致していれば削除されます。個人名(フルネーム)、住所、電話番号が記載されていれば削除するとしているところが多いと思います。

③裁判での削除基準は、複雑です。個人を示して嘘の事実がかいてあれば名誉毀損としての基準により削除を判断しますし、個人を示して本当のことが書いてあってもそのことが他人にみだりに知られたくないプライバシーに属する事実であれば、プライバシー権侵害の基準により判断されます。

 また、削除されるためには、書いている内容があなたを示すものであると第三者が判断するようなものでないといけません。

3 書いている内容があなたを示すか(同定可能性)

 「この投稿は自分のことを示すものだ」と感じていらっしゃるのに、書かれている内容をみると、第三者からはそうはみえないということが少なくないです。

 この第三者というのは、あなたのことの情報のいくつかをしる第三者を想定するもので、ざっくりいえば、仕事の取引先の人や、たまにあう友人くらいを想定するとよいかと思います。あなたは、あなたに関するすべての情報をもっており、あなたが経験したすべての記憶があるので、ある投稿をみて、「自分のことだ」と感じるかもしれませんが、あなた以外のほとんど多くの人があなたのことであると分かるような内容でないと、「この投稿があなたのことを示している」とは裁判所は判断しません。

 この裁判所(法律)の判断の枠組みと本人の感覚の差から困る方もいらっしゃいます。

 また、例外的に、誹謗中傷の程度がひどく人格否定までつながる場合は、名誉感情侵害として、第三者からはあなたと特定できなくても、削除できる場合もあります。これもケースバイケースといえるでしょう。

4 今後、投稿されないようにどう対応するか

 これは、投稿した相手に二度としないように意識させるほかないです。

 そのためには、

1⃣相手方に警告をする。(直接連絡先が分かる場合)

2⃣発信者情報開示をして相手を特定して相手に警告をする(連絡先が分からない場合)

ことになります。今までやった賠償請求と合わせて交渉し、和解をする際に、今後投稿しないという約束や違反の場合の違約金まで定めておくと有効かと思います。

 ただし、ここまで全部するためには、時間も手間も費用もかかりますので、それらも考慮して検討してください。


瀬戸法律事務所