私が受任したインターネット上での名誉棄損・誹謗中傷・プライバシー侵害の記事削除事例を紹介します。
事案は,ある会社について,その会社と社長の悪口がインターネット上の記事として複数掲載されてその記事を削除してほしいというものです。
記事の内容を見てみると,かなりひどい名誉棄損表現,プライバシー侵害表現を含んでいました。
書き込みをした者は特定できていましたが,当該記事が単なるwebページだけではなく,ブログ形式のページにも掲載されたため,他のサイトのブログ自動巡回,自動転載のシステムにのって,多数転載されていました。
まず,これ以上の記事の増殖をなくすために,記事の掲載者に,警告書を送付し,これまで書いた記事の削除及び今後二度と記事を書かないこと,応じない場合は訴訟提起すること等を連絡しました。
相手は,これに応じて,これまで書いた記事(ブログのものも含む)を全部削除し,新しい書き込みもなくなりました。
その後,インターネット上から,当該記事を全部削除してほしいとの依頼者の希望があったため,googleで検索をすると約400件HITしましたが,こつこつとやっていくことにしました。
まず,転載先のブログ記事について,転載先の管理者に対して,削除要請をしました。
管理者が長く不在で,何度も文書連絡・メールを送付したり,転載先が外国のサイトで,外国人の管理者に英文で削除依頼をしたり,また,管理者の中には,なんで俺が書いてないのに削除しないといけないのか等と言ってくる人もいたりして,苦労もしました。
しかし,数か月を要して全部の転載先の記事を削除することができました。
記事を削除しても,googleにはキャッシュとして残っており,このキャッシュがあると,インターネット上でまだ記事を見ることができるので,記事削除した分について,1つ1つ,URLアドレスを入力して,googleのキャッシュの削除依頼をしました。
また,googleのキャッシュが削除されても,googleに検索クエリ結果が残っており,検索結果に出てくることがあります。これを早く無くすために,googleに巡回を早くするよう要請することができ,これを定期的にしていました。
このような結果,数か月後には,googleで検索して,削除対象であった記事が1件も出なくなりました。その後,何か月おきかにチェックをしていましたが,検索結果に出てくることはありませんでした。
この事例は,相手が記事削除にすんなり応じてくれたため,裁判手続をせずにすみましたが,転載先を含めて記事削除を行ったため,かなりの作業量となりました。
しかし,依頼者には,記事が全部なくなったことを非常に喜んでもらい,やった甲斐がありました。
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