2016年7月8日金曜日

解決事例1(性風俗従事者が自己の氏名,住所等のプライバシー情報を掲載された場合)

 性風俗関連については,いろいろな電子掲示板上で,特定のお店や特定の性風俗嬢に関する話題が取り上げられています。
 一方,性風俗業に従事する女性(性風俗嬢)は,一般に,このような仕事をしていることを近親者・知人に知られてたくないと考え,また,ストーカー被害を避けるため,自己の氏名や住所,連絡先等のプライバシー情報を隠して,仕事をしています。
 このように,性風俗嬢が,自己の氏名や氏名や住所,連絡先等のプライバシー情報を,他人に秘匿したいという利益は保護されるべきであり,これをみだりに電子掲示板上に記載する行為は,権利侵害行為として違法となると考えられます。

 発信者情報開示請求訴訟においても,個人が特定できるような形で,性風俗嬢の氏名や住所等が記載された場合は,権利侵害を認め,発信者情報が開示されるということが一般化しつつあるようです。

 一方,記載内容から,個人が明確に特定されるとはいえない場合には,権利侵害があるか微妙になります。
 プロバイダ責任制限法の発信者情報開示請求の条項は,「権利侵害が明らか」な場合に開示を認めるとなっており,権利侵害を裁判所に認めてもらえないと,発信者情報開示請求訴訟で敗訴となってしまいます。
 
 当事務所で取り扱った案件ですが,依頼者(性風俗業従事者)の実名(フルネーム)でもない,住所でもない情報(しかし,依頼者にたどり着く可能性のある情報)が電子掲示板に掲載された事案で,依頼者にたどり着く可能性が具体的にあること,その場合に依頼者に多大な損害があることなどを,丁寧に,主張,立証し,発信者情報開示請求訴訟において,認容判決を得,プロバイダに発信者情報を開示してもらうことができました。

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