2 削除請求(訴訟外)
googleの国内登記が完了したころから、googleに対する裁判上の請求が多くなったためと推測しますが、訴訟外での削除請求(WEB申請など)が以前より通りやすくなった感じがあります。
開示請求で、google側がすでに投稿が削除されているから権利侵害の程度が低い、開示不相当という主張をしてくる関係で、削除は比較的ゆるやかになったのかもしれないと個人的に思っています。
とはいえ、権利侵害の主張はしっかりしないと削除はしてくれないので、弁護士に依頼をしたほうがいいのはまちがいないです。自分で削除請求しても消えなかったという方で、当方からの削除申請で消えるというのも数多くあります。
3 開示仮処分(IPアドレス等)
開示請求については、情報の「保有」というのが法律上の要件になっております。これについては運用上非常に問題があり、立法をした者らが実務を知らないことでこのようなクソ法律になってしまったのですが、現時点では、プロバイダ側が情報を保有しているかの認否をして、持っていると回答をすればあると認定、無いといわれれば有るという立証が現実的にできないので取下げという運用でまわっています。
しかしながら、googleはこの認否が非常に遅く、現在、全事件について、申立書がgoogle(代理人)に到着してから2ヶ月経過してもまだ保有の情報が本社から代理人に来ないとかで、2ヶ月半程度かかっていることが多いようです。
そうすると、2ヶ月半たってもまだ仮処分の決定がだせないということで、通信経路が国内の携帯電話会社(ドコモ、AU、ソフトバンク、楽天)などの場合、3か月で通信ログが消えるとされているので、通信経路での特定が事実上困難ということなっています。
4 開示命令手続
電話番号などのアカウント登録情報の開示命令についても、同様に、情報の「保有」というのが法律上の要件になっており、同様に認否が必要になるのですが、googleは本国の法律に基づいて、電話番号等の個人情報については、保有の認否をしないと一律対応をしています。
この場合は、開示相当という裁判所の判断の場合、開示命令をだしつつ、開示命令が出て情報を保有している場合は合理的期間内に開示する、一方で請求側は強制執行をしないという合意をしてすすめる運用が一般になっているようです。
google側の性善説にたった運用ですが、そもそも「保有」というgoogleしかわからない要件を請求側に立証させる法律がおかしなものですし、認否に2ヶ月以上かかるgoogleを信じよという性善説もくずれていると思います。
アカウントの特定及びそのアカウントに何が登録されているかは、作業を始めればすぐ判明するし、1アカウントあたり数分ではないでしょうか。全体でどれくらいの件数あるかしりませんが、2025年の東京地裁の開示申立が8700件(推定)のようで、1請求者で重複した申立も結構ありますし、半分以上は、通信回線の会社への申立と思いますので、googleが件数多いといっても、最大多く見積もっても1000とか1500件と思います。1500件として、月間125件、平日20日としても、1日6件の調査は日本担当で1名おいておけば十分対応できるのではないでしょうか。
瀬戸法律事務所 弁護士 瀬戸伸一

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