2024年10月4日金曜日

隣地の他人の土地の通行が認められるか(相談、紛争事例)

  自宅のそばでいつも使っている道が他人の土地で、急に通行できなくなったとか

 自分の土地を売りたいが他人が通路として利用しているのでどうしたらよいかというような紛争や相談がよせられることがあります。

 他人の土地でも、公道まで自分の土地から繋がっていない場合は、囲繞地通行権が民法上認められます。また、他の土地の所有者との約定や時効取得により通行地役権が認められる場合もあります。どのような場合に、認められるかは、土地の取得、分割の経緯や通行状態の実態や使用した期間等によります。

 また、自動車が通行できるほどの幅の通行権がみとめられるかについては、最高裁判例があり、「自動車による通行を前提とする民法210条1項所定の通行権の成否及びその具体的内容は,公道に至るため他の土地について自動車による通行を認める必要性,周辺の土地の状況,上記通行権が認められることにより他の土地の所有者が被る不利益等の諸事情を総合考慮して判断すべきである。」(平成18年3月16日 最高裁判所第一小法廷判決)とされているので

これも場合によりけりというのが結論です。

 隣地紛争は、紛争が苛烈になると相手が近くにいることもあり思わぬ損害が生じることになったり、精神的ストレスが大きい事案ですので、専門家の第三者である弁護士に御相談、御依頼されるのが安心です。