【事案】
ある企業が転職会議サイトにおいて、労働環境、経営者に関する事項、従業員への業務指示において、虚偽の内容が記載された口コミが投稿された。名誉毀損であるし、求職応募者が減少したため、この投稿の削除請求をしたい。
【対応】
訴訟外交渉において、当該口コミの削除を求めた。
転職会議が一応理由があると認める部分は、口コミの文章の一部を伏字にする形で削除がなされた。
しかしながら、削除を求めた部分の全部は削除されなかった。
このため、投稿記事削除の仮処分を裁判所に申し立てた。
仮処分の審尋(双方当事者を呼び出して裁判所とともに審理をする期日)で、虚偽であるということを示す証拠として依頼者側が出しうる証拠の全部を提出し、裁判所の仲介もあり、依頼者側が削除を求めた目的を達することができる範囲の削除をするという内容で(削除範囲部分は転職会議側と協議)和解を行い、削除がなされた。
【解説等】
転職会議側も削除の理由として正当と認めるものについては、削除をする方針のようであるが、なるべく削除をしない、削除するにしても関係する文字部分に限定する等削除に対する対応は厳しめの印象を受けます。
また、削除理由をどの証拠があれば正当と認めるかについても任意交渉の時点では厳しめの判断であるようである、裁判手続になり、転職会議側弁護士や裁判官からの示唆を経て削除してもよいという判断に至る場合も少なくないようなので、裁判手続も視野にいれて対応する必要がありそうです。
瀬戸法律事務所
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