2024年11月5日火曜日

【相談事例】個人の情報がネット上に書かれているので削除してほしい。


 【事案・相談内容】

 インターネット上で(ツイッター、X)、自分の個人の情報が書かれているので、削除をしてほしい。

 また、今後、このようなことが起こらないように相手に何かをしたい。

【回答】

1 削除方法

 削除の方法としては、①投稿した者に削除を求める(交渉)、②サイト管理者(ツイッター、XであればX社)に対して、削除を求める(交渉)、③サイト管理者を相手にして削除の裁判をする。

 の3方法になります。

2 削除されるか

 削除されるか否か、①の投稿者に求める方法であれば投稿者が了承すれば削除sされます。②のサイト管理者に削除を求める交渉であれば、サイト管理者が定める規約や削除条件に合致していれば削除されます。個人名(フルネーム)、住所、電話番号が記載されていれば削除するとしているところが多いと思います。

③裁判での削除基準は、複雑です。個人を示して嘘の事実がかいてあれば名誉毀損としての基準により削除を判断しますし、個人を示して本当のことが書いてあってもそのことが他人にみだりに知られたくないプライバシーに属する事実であれば、プライバシー権侵害の基準により判断されます。

 また、削除されるためには、書いている内容があなたを示すものであると第三者が判断するようなものでないといけません。

3 書いている内容があなたを示すか(同定可能性)

 「この投稿は自分のことを示すものだ」と感じていらっしゃるのに、書かれている内容をみると、第三者からはそうはみえないということが少なくないです。

 この第三者というのは、あなたのことの情報のいくつかをしる第三者を想定するもので、ざっくりいえば、仕事の取引先の人や、たまにあう友人くらいを想定するとよいかと思います。あなたは、あなたに関するすべての情報をもっており、あなたが経験したすべての記憶があるので、ある投稿をみて、「自分のことだ」と感じるかもしれませんが、あなた以外のほとんど多くの人があなたのことであると分かるような内容でないと、「この投稿があなたのことを示している」とは裁判所は判断しません。

 この裁判所(法律)の判断の枠組みと本人の感覚の差から困る方もいらっしゃいます。

 また、例外的に、誹謗中傷の程度がひどく人格否定までつながる場合は、名誉感情侵害として、第三者からはあなたと特定できなくても、削除できる場合もあります。これもケースバイケースといえるでしょう。

4 今後、投稿されないようにどう対応するか

 これは、投稿した相手に二度としないように意識させるほかないです。

 そのためには、

1⃣相手方に警告をする。(直接連絡先が分かる場合)

2⃣発信者情報開示をして相手を特定して相手に警告をする(連絡先が分からない場合)

ことになります。今までやった賠償請求と合わせて交渉し、和解をする際に、今後投稿しないという約束や違反の場合の違約金まで定めておくと有効かと思います。

 ただし、ここまで全部するためには、時間も手間も費用もかかりますので、それらも考慮して検討してください。


瀬戸法律事務所


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