相続や事業承継に関する相談も最近多くなってきているが,相続や事業承継に関する問題は,関係当事者間で思いや希望が異なり,また,案件ごとに事情がことなるので,基本的には,事情をお聞きしてから,個別のプランを作成して提案することになります。
しかしながら,相続や事業承継について,どうしていいかわからず,弁護士に相談にいくという発想にもいたらない方に対しては,事前に,いくつかのプランをパッケージとして告知し,御相談いただいた後に,個別事情を考慮した変更を加えるというような提案のしかたのほうがわかりやすく,気軽に御相談いただけるのではないかと思うようになりました。
相続,事業承継に関しては,①もめたくない,②死んだあとにきちんと自分の思うとおりになってほしい,③お墓の管理をきちんとしてほしい,④節税,という希望が多く,これらを満たすために,様々な方法(信託,生前贈与,遺言,保険,不動産の処理など)があります。
このような希望があるときはこのような方法がありますというようなパッケージプランをわかりやすく提示できるように,現在,案内資料を作成しています。完成しましたら,HP上に掲載したいと思います。
2016年10月13日木曜日
残業代請求
ニュースでは過払請求の後は,残業代請求が増えるなどととりあげられているが,残業代請求は,過払請求と違って,以下の点があるので,過払請求のかわりになるほど請求が増えるということはないと思われます。
1 請求のための労働時間に関する資料がない,または,資料があっても労働時間の算出が困難
過払請求は,金融機関が取引履歴を開示してくれましたが,残業代請求では,タイムカード等の労働時間を明確に示すものがなく(あっても実態を反映していない),パソコンのログイン時刻や会社のセキュリティロック時刻,日報,メールなどから労働時間を算出しないといけないので,1事件ごとに処理方法が異なります。
このため,定型的な処理がしにくいという差があります。
2 残業代請求に耐えられない会社もある
財務状況がしっかりしている会社ならいいですが,2,3人が 残業代請求をすると会社のキャッシュフローが回らなくなるようなところもあります。
法律上の請求はできても,実際に回収できなくなることも考えられ,会社がつぶれると困ると言う場合は,低額の和解をせざるを得ない場合も出てきます。
3 勤務を継続したままでは,請求がしにくい。
残業代請求は,法律上当然の権利行使ですが,会社によっては,「言うことをきかない奴」という印象をいただき,仕事を継続するにあたって有形無形の支障が出る可能性があることは否定できません。
もちろん,残業代請求をしたことで,不利益を与えることは許されず,そのようなことがあれば損害賠償できますが,現実に支障がでる可能性があり,損害賠償請求のためには明確な証拠が必要なため,やはり,一定の覚悟が必要かと思います。
このため,仕事を続けながらの残業代請求のハードルは高く,請求をためらうことになります。
4 消滅時効が2年
雇用契約の報酬(給与)の消滅時効は請求できるとき(通常の支払日)から2年で消滅時効にかかるものとされており,請求時から2年分の残業代しか請求できないとされています。
長期間,残業が発生していたとしても,2年分までしか請求できないため,過払請求より,請求額が低いこともあります。
以上のような差がありますが,人によっては,残業代だけで,1月20万円以上あり,2年分で500万円近い請求ができる場合もありますので,残業代請求を考えている方は,まず,弁護士に相談されることをおすすめします(会社と直接交渉する場合でも,残業代請求の証拠を事前に集めておくなどのアドバイスを弁護士から受けてからのほうがよいです)
1 請求のための労働時間に関する資料がない,または,資料があっても労働時間の算出が困難
過払請求は,金融機関が取引履歴を開示してくれましたが,残業代請求では,タイムカード等の労働時間を明確に示すものがなく(あっても実態を反映していない),パソコンのログイン時刻や会社のセキュリティロック時刻,日報,メールなどから労働時間を算出しないといけないので,1事件ごとに処理方法が異なります。
このため,定型的な処理がしにくいという差があります。
2 残業代請求に耐えられない会社もある
財務状況がしっかりしている会社ならいいですが,2,3人が 残業代請求をすると会社のキャッシュフローが回らなくなるようなところもあります。
法律上の請求はできても,実際に回収できなくなることも考えられ,会社がつぶれると困ると言う場合は,低額の和解をせざるを得ない場合も出てきます。
3 勤務を継続したままでは,請求がしにくい。
残業代請求は,法律上当然の権利行使ですが,会社によっては,「言うことをきかない奴」という印象をいただき,仕事を継続するにあたって有形無形の支障が出る可能性があることは否定できません。
もちろん,残業代請求をしたことで,不利益を与えることは許されず,そのようなことがあれば損害賠償できますが,現実に支障がでる可能性があり,損害賠償請求のためには明確な証拠が必要なため,やはり,一定の覚悟が必要かと思います。
このため,仕事を続けながらの残業代請求のハードルは高く,請求をためらうことになります。
4 消滅時効が2年
雇用契約の報酬(給与)の消滅時効は請求できるとき(通常の支払日)から2年で消滅時効にかかるものとされており,請求時から2年分の残業代しか請求できないとされています。
長期間,残業が発生していたとしても,2年分までしか請求できないため,過払請求より,請求額が低いこともあります。
以上のような差がありますが,人によっては,残業代だけで,1月20万円以上あり,2年分で500万円近い請求ができる場合もありますので,残業代請求を考えている方は,まず,弁護士に相談されることをおすすめします(会社と直接交渉する場合でも,残業代請求の証拠を事前に集めておくなどのアドバイスを弁護士から受けてからのほうがよいです)
2016年10月6日木曜日
名誉毀損の書き込みについての損害賠償額
名誉毀損の書き込みについての損害賠償は,概ね,慰謝料と発信者特定にかかった弁護士費用でしょうが,裁判で判決となった場合の認容額は,書き込みの内容や回数,あとは判断をする裁判官によっても変動します。
従来は,名誉毀損の慰謝料は100万円を超えないといわれてきましたが,近時は,100万円を超える判断をする裁判例もちらほらでているようです。
昔は,離婚の慰謝料は200万円を超えないといわれていましたが,近時は200万円を超える判断もあるように,慰謝料に関する裁判官の考え方も少しづつかわってきているようです。
損害賠償額が多い方の事例と思われますが,
大津地裁彦根支部の平成27年1月22日判決(確定したかは不明です)では,インターネット上の掲示板に書き込みがなされ,名誉や名誉感情の毀損及びプライバシー権侵害による損害賠償を求めた事案(請求額 慰謝料400万円 発信者特定のための弁護士費用約87万円)で,慰謝料150万円,発信者特定のための弁護士費用45万円の合計195万円が認められています。
一方,請求する相手に資力がないと,判決をとっても,回収できないことになりますが,事前に相手方の資力がわからないことが多く,難しいところです。
従来は,名誉毀損の慰謝料は100万円を超えないといわれてきましたが,近時は,100万円を超える判断をする裁判例もちらほらでているようです。
昔は,離婚の慰謝料は200万円を超えないといわれていましたが,近時は200万円を超える判断もあるように,慰謝料に関する裁判官の考え方も少しづつかわってきているようです。
損害賠償額が多い方の事例と思われますが,
大津地裁彦根支部の平成27年1月22日判決(確定したかは不明です)では,インターネット上の掲示板に書き込みがなされ,名誉や名誉感情の毀損及びプライバシー権侵害による損害賠償を求めた事案(請求額 慰謝料400万円 発信者特定のための弁護士費用約87万円)で,慰謝料150万円,発信者特定のための弁護士費用45万円の合計195万円が認められています。
一方,請求する相手に資力がないと,判決をとっても,回収できないことになりますが,事前に相手方の資力がわからないことが多く,難しいところです。
2016年9月28日水曜日
解決事例4(発信者情報開示請求後,加害者との和解)
掲示板の運営者に,権利侵害の書き込みについて,IPアドレス等の発信者特定情報を開示してもらった後,そのIPアドレスから判明するプロバイダ等に,訴訟外での(任意の)発信者情報開示請求をすることになります。
この段階で,プロバイダ等は,ガイドラインにより,各発信者(契約者)に対して,発信者情報開示請求がなされていることの通知と,契約者情報を開示してよいかの質問をします。
この時に,発信者(契約者)が開示してよいとの回答をすると,基本的に,発信者情報の開示がなされることになりますが,このようなことはほとんどありません。
このため,すぐに,発信者情報開示請求訴訟を提起することになります。
一方,プロバイダ等から発信者情報開示請求がなされたとの通知をうけた発信者は,その時点で,弁護士等に相談にいくことも少なくありません。
そして,相談にいくと,いずれ発信者情報の開示がなされる可能性が高いであろうことなどを聞き,弁護士を通じてや直接本人が,開示請求を行った代理人へ和解の連絡をしてくることも,ままあります。
そのようにして,発信者情報開示請求訴訟を経ずに,和解交渉が行われ,比較的早期に,和解解決がなされる場合があります。
このような早期の解決がなされることが理想的ですが,このような解決がなされるのはかなり少ないという印象です。
この段階で,プロバイダ等は,ガイドラインにより,各発信者(契約者)に対して,発信者情報開示請求がなされていることの通知と,契約者情報を開示してよいかの質問をします。
この時に,発信者(契約者)が開示してよいとの回答をすると,基本的に,発信者情報の開示がなされることになりますが,このようなことはほとんどありません。
このため,すぐに,発信者情報開示請求訴訟を提起することになります。
一方,プロバイダ等から発信者情報開示請求がなされたとの通知をうけた発信者は,その時点で,弁護士等に相談にいくことも少なくありません。
そして,相談にいくと,いずれ発信者情報の開示がなされる可能性が高いであろうことなどを聞き,弁護士を通じてや直接本人が,開示請求を行った代理人へ和解の連絡をしてくることも,ままあります。
そのようにして,発信者情報開示請求訴訟を経ずに,和解交渉が行われ,比較的早期に,和解解決がなされる場合があります。
このような早期の解決がなされることが理想的ですが,このような解決がなされるのはかなり少ないという印象です。
2016年9月6日火曜日
発信者情報開示後(書き込みをした者が判明した後)の対応について
発信者情報開示請求訴訟の判決後(認容判決),ほとんどのプロバイダ等からは,任意の(執行手続きを要せずに)開示があります。
発信者情報の開示は,契約者名,住所が開示されることがあり,メールアドレスは開示されないことがほとんどですが,
住所と契約者名があれば,賠償請求をするには十分です。
契約者名が法人の場合は,登記簿をとって,会社の素性や代表者名を調べますが,多くの場合,被害者の知り合いが書き込みをしています。
弁護士を通じて,損害賠償をしてもよいですし,相手が知人であることから,みずから話をしてもよいでしょうが,話がまとまらない場合は,損害賠償請求訴訟をすることになります。
その場合,書き込みをされたという慰謝料に加えて,加害者を特定するためにかかった費用(弁護士費用)も損害に加えて請求します。
加害者を特定するためにかかった費用のうち,相当な額については,下級審判例で,これを損害に含めるという判断がありますし,私見ではありますが,近時はだいたい認められるのではないかと思います。
不法行為の相手を特定するためにかかった探偵費用についても相当な額は,損害に含めるという下級審判例が一般化していると思いますので,同じ論理で,発信者特定に要した弁護士費用も損害に含まれると考えられます。
発信者情報の開示は,契約者名,住所が開示されることがあり,メールアドレスは開示されないことがほとんどですが,
住所と契約者名があれば,賠償請求をするには十分です。
契約者名が法人の場合は,登記簿をとって,会社の素性や代表者名を調べますが,多くの場合,被害者の知り合いが書き込みをしています。
弁護士を通じて,損害賠償をしてもよいですし,相手が知人であることから,みずから話をしてもよいでしょうが,話がまとまらない場合は,損害賠償請求訴訟をすることになります。
その場合,書き込みをされたという慰謝料に加えて,加害者を特定するためにかかった費用(弁護士費用)も損害に加えて請求します。
加害者を特定するためにかかった費用のうち,相当な額については,下級審判例で,これを損害に含めるという判断がありますし,私見ではありますが,近時はだいたい認められるのではないかと思います。
不法行為の相手を特定するためにかかった探偵費用についても相当な額は,損害に含めるという下級審判例が一般化していると思いますので,同じ論理で,発信者特定に要した弁護士費用も損害に含まれると考えられます。